偽ニュース拡散 IT企業は自ら対策に動け

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 フェイク(偽)ニュースや出所不明のデマがネット上で流通・拡散するのを防ぐ。その重要性をIT企業は認識し、対応を急がねばならない。

 総務省の有識者会議は、偽ニュース対策を盛り込んだ最終報告をまとめた。「政府の介入は極めて慎重であるべき」だとして、SNSなどの運営事業者に自主的な取り組みを促した。

 「表現の自由」を守るために、政府による規制は極力避け、まずはIT企業側がチェック体制を強化すべきである。最終報告の方向性は適切だろう。

 新型コロナウイルスによる肺炎を巡り、ネットでは不確かな情報が出回った。過去には偽ニュースや偽動画が米国の大統領選などにも影響を及ぼしたと言われる。

 正確で信頼できる情報は民主主義の基盤だ。国民が判断を下すうえで欠かせない。IT企業はネット空間の信頼性を保つ社会的責任の重さを自覚してもらいたい。

 最終報告は、関係者で構成するフォーラムの創設を提唱した。IT企業だけでなく、幅広いメディアや専門家らが最新の情報を共有する意義は小さくない。対策作りへ知恵を出し合いたい。

 SNSは利用者が容易に書き込みができ、偽ニュースが拡散しやすい。手口は巧妙化している。

 IT企業は通常、自社のSNSなどの情報を監視するため、AI(人工知能)を活用している。少なくとも、大衆の扇動や攪乱かくらんを狙った偽ニュースや明らかなデマの排除には有用と言えよう。

 ただ、判断をAI任せにするのは危うい。真実性の見極めが難しいものは多く、正しい情報まで削除する可能性は十分あり得る。

 IT企業は、どのような考え方に基づいてAIが判断しているのか、ニュースの表示順位をどういう基準で決めているのか、といった点を公表すべきだ。ニュースの恣意しい的な選別につながらぬよう、透明性の向上が不可欠である。

 グーグルやフェイスブック、ツイッターのような海外企業には、技術的な問題を含め、外部からの苦情・指摘に責任を持って対応できる体制の整備も求められる。

 最終報告は、情報を読み解く力「情報リテラシー」の重要性にも言及した。SNS上などに流れる情報は玉石混交だ。利用者は、真偽不明の情報が多く含まれることを肝に銘じておく必要がある。

 ネット情報をうのみにせず、出所を確認したり、信頼に足る資料まで遡って調べたりする。こうした基本動作を習慣づけたい。

無断転載・複製を禁じます
1050281 0 社説 2020/02/13 05:00:00 2020/02/13 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ