GDPマイナス 景気の失速を防ぐ正念場だ

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 2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値で、実質成長率が5四半期ぶりにマイナスとなった。

 昨年10月の消費税率引き上げを受け、個人消費が低調だった。実質GDPは前期比で1・6%減、年率換算で6・3%の減と、前回の消費増税後の14年4~6月期(7・4%減)以来の大きな落ち込みだ。

 肝心なのは、回復基調を続けてきた景気が失速しないようにすることである。政府・日本銀行は経済動向を慎重に点検し、機動的に対応しなければならない。

 GDPの5割以上を占める個人消費は、前期比2・9%減だった。前回の消費増税後(4・8%減)よりは下げ幅が縮小した。

 軽減税率やキャッシュレス決済へのポイント還元などが消費をある程度下支えした。ただ、増税前の駆け込み需要の反動減を吸収しきれなかった。台風19号や暖冬による売り上げの減少も響いた。

 内需のもう一つの柱である設備投資は、米中貿易摩擦を背景に3・7%減と低迷した。輸出も0・1%減だった。内需と輸出がともに振るわないのは心配だ。

 先行きの最大の懸念は、新型肺炎の影響である。

 1月以降は米中貿易摩擦が緩和に向かい、景気が持ち直すとの楽観論もあったが、こうしたシナリオは、修正を迫られつつある。

 中国人観光客の急減で、観光業が打撃を受け始めた。訪日客の消費減が小売業にも波及しよう。新型肺炎を警戒する外出手控えが、国内消費を冷やす恐れもある。

 中国で生産活動の停滞が長引けば、サプライチェーン(部品供給網)の寸断により、国内の製造業の収益を押し下げる。

 政府は緊急対策として、観光業など中小企業の資金繰りを支援する融資枠を設定した。製造業には、生産性向上のための補助金を活用して、設備投資を促す。

 新型肺炎の感染がどこまで拡大し、長期化するのか現時点では見通せない。政府は必要に応じ、追加措置を検討するべきだ。

 政府は「緩やかに回復している」との景気判断を維持している。一方、主要な経済指標から算出される景気動向指数の基調判断は、5か月連続で「悪化」を示す。

 景気の腰折れを防げるか、正念場を迎えたといえよう。

 企業業績も急速に陰りが出てきた。賃金や設備投資が抑えられ、内需が冷え込む事態は避けねばならない。先端分野の規制緩和などで、企業活動を後押ししたい。

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1058500 0 社説 2020/02/18 05:00:00 2020/02/18 05:00:00

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