洋上風力発電 普及に向け課題の検証進めよ

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 有力なエネルギー源に育てるには、山積する課題を一つ一つ克服していくことが求められる。

 再生可能エネルギーの拡大に向けて、洋上風力発電が注目されている。

 洋上風力の導入を促す新たな法律が昨年、施行された。沖合での発電は、都道府県ごとの条例に従わねばならず、事業期間は3~5年だった。これを最長30年に延長して事業化を後押しする。

 海に囲まれている日本の「地の利」を生かし、洋上風力の普及を図る狙いは妥当だろう。

 政府は長崎県五島市沖を「促進区域」に指定した。ほかにも千葉県銚子市沖と秋田県沖の2地域が有力候補地となっている。

 ただ、本格普及へのハードルは高い。効用や問題点をしっかり検証することが欠かせない。

 2017年度の全発電量に占める再生エネの比率は、水力を除くと約8%にとどまる。しかも、太陽光が5・2%なのに対し、風力はわずか0・6%にすぎない。

 夜間や曇天でも、風があれば発電できる風力を増やし、太陽光の短所を補う意義は小さくない。

 これまで、風力発電設備はほとんどが陸上に作られている。日本は平地が少なく、適地は限られる。騒音への苦情も絶えない。

 洋上なら起伏の多い陸上より風は安定している。騒音などを気にせず大容量施設を建てやすい。

 洋上風力は、欧州が先行している。ドイツや英国では再生エネの比率が30%前後で、主力は風力という。ただし、欧州と日本では事情が大きく異なる。

 最大の障害はコスト高だ。欧州では、水深の浅い海底に敷設する「着床式」が主流だが、日本は遠浅の海が少ない。海面に浮かべる「浮体式」が中心となろう。建設費は着床式より割高になる。

 北海道や東北といった発電適地と首都圏などの大消費地を結ぶ送電線は不足している。その整備にも多額の費用がかかる。

 日本の風力の発電単価は、世界平均の1・6倍と高い。官民が協力し、量産化や技術開発によるコスト削減に努めてもらいたい。

 日本は台風が多い。設備の耐久性を高めねばならない。自然環境への配慮や、地元漁業者の理解を得ることも大切である。

 温暖化防止と電力安定供給を両立するには、再生エネを伸ばすとともに、温室効果ガスを排出せず、発電量が安定している原子力発電所も活用していく必要がある。政府は、原発再稼働の重要性を国民に丁寧に説明していくべきだ。

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1068608 0 社説 2020/02/24 05:00:00 2020/02/24 05:00:00

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