G20と新型肺炎 高まる経済リスクに万全期せ

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 新型肺炎の世界的な感染拡大は経済にとって脅威である。主要国は危機感を共有し、対応に万全を期さねばならない。

 サウジアラビアで開かれていた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、景気の減速に備え、各国が政策を総動員することを盛り込んだ共同声明を採択した。

 声明は「新型コロナウイルスの流行を含め、世界経済のリスクの監視を強化する」とし、「リスクに対処するため更なる行動をとる用意がある」と明記した。

 各国がそれぞれの事情に応じて財政・金融両面から景気を下支えする。その方針を確認した意義は小さくない。情報交換を密にするなど連携を深め、適切な政策手段を探っておくことが大切だ。

 新型肺炎の発生地である中国の国内総生産(GDP)は世界の2割弱を占め、主要企業の多くが自動車やスマートフォンなどの生産拠点を置く。工場は再開し始めたものの、本格稼働には程遠い。

 停滞が長期化すれば経済への下押し圧力は大きくなろう。

 とりわけ、中国との貿易量が多い日本やドイツ、アジア諸国は大きな影響が避けられまい。すでに日本やドイツなどの成長は減速しており、大手企業の業績悪化が目立っている。今回の事態が追い打ちをかけるのは間違いない。

 企業は中国以外での代替生産を急ぐと同時に、部品供給網のあり方を再点検し、過度な中国依存を改める契機にすべきだろう。

 国際通貨基金(IMF)はG20に合わせ、2020年の中国の経済成長率見通しを1月時点の6・0%から0・4ポイント下方修正した。6%を下回れば1990年以来となる。世界全体の成長率も3・3%から0・1ポイント下がるとした。

 試算は、中国経済が早期に正常化することを前提にしているが、楽観はできない。24日の世界的な株安は、投資家が先行きを不安視している表れと言えよう。

 中国では今後、3億人を超える労働者や学生が春節(旧正月)で戻った故郷から都市部にUターンすると見込まれる。そこで感染拡大に拍車がかかる恐れがある。

 日本経済は当面厳しい状況が続きそうだ。訪日中国人客は激減し、イベントの自粛が相次いでいる。1~3月期は19年10~12月期に続いて、2期連続のマイナス成長に陥っても不思議はない。

 日本銀行の政策余地は小さくなっている。政府は新型肺炎への緊急対策を着実に執行し、必要に応じて追加措置を検討すべきだ。

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1069825 0 社説 2020/02/25 05:00:00 2020/02/25 05:00:00

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