中国全人代延期 習氏は危機収拾へ責任果たせ

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 中国の習近平政権には新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を招いた責任がある。事態収束に向けてあらゆる手段を講じなければならない。

 中国が新型肺炎への対応を理由に、3月5日に開幕予定だった全国人民代表大会(全人代=国会)の延期を決めた。全人代は1978年から毎年開かれ、85年以降は3月開幕が定例化していた。日程変更は極めて異例だ。

 新たな日程も示されなかった。収束時期が見通せないのだろう。習国家主席は「建国以来、最も制御が難しい公衆衛生事件だ」と述べ、厳しい認識を示した。

 全人代は憲法で「最高国家権力機関」と規定され、憲法改正や法律制定、国家主席や首相らを選出する権限を付与されている。

 約3000人の代表が北京に集まり、国内総生産(GDP)の成長率目標や予算案を審議する。今年中に「小康社会」(少しゆとりのある社会)を実現し、2010年比でGDPを倍増させるという目標も確認する予定だった。

 だが、新型肺炎の流行で経済活動は停滞し、成長の急減速が予想される。公言してきた目標が達成できなければ、政権への打撃は避けられまい。4月の習氏の国賓訪日など今後の外交・内政が滞る可能性がある。

 中国はサウジアラビアで開かれた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に財務相と中央銀行総裁を派遣しなかった。批判の矢面に立たされるのを避けたのではないか。無責任な対応と言わざるを得ない。

 習氏は状況に即した経済・外交政策を実行し、大国の指導者としての責務を果たすべきだ。

 中国には、新型肺炎に関する積極的な情報公開が強く求められている。にもかかわらず、習政権が社会の監視と言論弾圧を強めているのは看過できない。

 当局の対応の不備を指摘し、習氏の辞任をネット上で求めた著名な中国人法学者が連行された。封鎖された武漢市から医療現場の実態をSNSで発信していた弁護士らも行方不明となった。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国の脆弱ぜいじゃく性を指摘した識者の評論が当局に問題視され、北京駐在記者3人が事実上の国外退去処分を受けた。

 共産党政権は、治安維持や社会の安定を名目に異論を封じ込めてきた。こうした統治手法が迅速な情報公開を阻み、危機を拡大させた。強権統治の綻びを更なる強権で繕う愚策は許されない。

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1071982 0 社説 2020/02/26 05:00:00 2020/02/26 05:00:00

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