衆院集中審議 新型肺炎対策を掘り下げよ

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 衆院予算委員会で、安倍首相が出席して集中審議が行われた。論戦の焦点となったのは、新型肺炎の対策である。

 立憲民主党の枝野代表は、政府の基本方針について「権限や財源をどう利用し、感染拡大を具体的に防止するのかが出てこない」と批判した。

 首相は「今後の状況を見据え、各省庁で対策を具体化し、速やかに実行に移す」と語った。

 基本方針は、患者の増加に備え、重症者に対する医療提供体制の整備や、マスクの円滑な供給などを盛り込んでいる。各省庁が連携して、必要な措置を躊躇ちゅうちょなく行うことが求められる。

 枝野氏は、小泉環境相ら3閣僚が政治活動を理由に政府の対策本部の会合を欠席したことも批判した。首相は「気を引き締めて取り組む」と述べた。緊張感を持って対策にあたらねばならない。

 国民民主党の玉木代表は「先を見据えた緊急経済対策を講じてもらいたい」と述べた。首相は「きめ細かく対応する」と応じた。

 個人消費の冷え込みや企業収益の悪化は大きな懸念材料だ。訪日中国人客は激減し、イベントの延期が相次ぐ。政府は影響を見極め、中小企業の資金繰り支援の拡充などを検討する必要がある。

 新型肺炎の拡大に歯止めをかけることができるか、重要な時期である。与野党は総合的な対策について掘り下げて論じるべきだ。

 野党は、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長も取り上げた。検察庁法には規定がないため、政府は国家公務員法を適用し、黒川氏の定年を8月まで延ばした。

 政府はかつて、検察官に定年延長の規定は適用されない、とする見解をまとめていた。今回の決定に際し、法解釈を変更したと説明したが、解釈変更に関する文書には日付がない資料もあった。

 玉木氏は人事の撤回を求めた。首相は、定年延長は業務遂行上の必要性に基づくと説明したうえで「問題はない」と語った。

 現在の検事総長は今夏が交代時期の目安だ。黒川氏は定年延長により、検事総長への道が開けた。首相に近いことから、首相官邸の意向が働いたとの見方がある。

 検察は起訴権をほぼ独占し、時に政界捜査も行う。政治権力から不当な影響を受けないよう、一定の独立性が確保されている。

 前例のない検察官の定年延長を判断した理由は何か。どのような経緯を経て解釈を変更したのか。政府は疑念を持たれぬように、説明を尽くさねばならない。

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1074356 0 社説 2020/02/27 05:00:00 2020/02/27 05:00:00

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