経済安全保障 政府は企業と連携し国益守れ

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 情報通信分野の技術革新が進み、企業の活動が国家の安全保障に密接に関わるようになった。政府の戦略的な取り組みが欠かせない。

 政府は来月、首相を議長とする国家安全保障会議(NSC)の事務局である国家安全保障局に、経済担当の新部署を設ける。安全保障が絡む通商政策などへの対応を強化することは妥当だ。

 人工知能(AI)やビッグデータの普及は、あらゆる産業に変革をもたらした。技術面での優位性を保つため、米中両国の覇権争いは激しさを増している。

 中国は、民間の技術を活用して国防力を強化する「軍民融合」を図っている。通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」などの中国企業は、次世代通信規格「5G」の整備で先行する。

 これに対抗し、トランプ米政権はファーウェイなどを安保上の脅威と見なし、米企業の取引を禁じた。重要技術を輸出管理の対象とする法整備も進めている。

 こうした国際環境を踏まえ、日本も対応を急がねばならない。

 政府は通信機器の政府調達に関する指針を定め、外部流出などのリスクのある機器を排除した。

 今後は、外国人投資家などによる日本企業への投資を規制する。宇宙や原子力など安全保障に関わる分野で、情報窃取を防ぐ狙いがある。適切に審査する体制を整えることが不可欠だ。

 大学や研究機関などの情報管理が甘いとの指摘が出ている。官民が連携し、技術流出を防ぐ仕組みを構築することが大切だ。

 米政府と意思疎通を図り、協調して取り組むべきである。

 民間の経済活動や研究開発に過度に介入すれば、健全な競争を阻害しかねない。安全保障政策と、企業の競争力確保のバランスに留意する必要があろう。

 早急に解決すべき課題は多い。政府は今国会に、国産ドローンの普及を後押しするため、開発予算を支援する法案を提出した。

 ドローンの国内シェアは、中国製が大半を占める。災害対策や物流など幅広い分野に普及するにつれ、不正な情報収集や重要施設への攻撃に使われる懸念が高まる。着実に法整備を図りたい。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、中国からの部品調達が滞り、自動車メーカーなどは、減産に追い込まれている。

 生産拠点の過度な偏りは、産業基盤を揺るがすリスクがある。サプライチェーン(部品供給網)の多様化が求められている。

無断転載禁止
1105375 0 社説 2020/03/13 05:00:00 2020/03/13 05:00:00

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