公務員定年延長 官民が歩調を合わせて進めよ

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 ベテランを処遇しつつ組織の活力を維持していくことが重要だ。

 政府は、国家公務員の定年を2030年度に65歳とする国家公務員法などの改正案を閣議決定した。現在の原則60歳を、2年ごとに1歳ずつ引き上げる。

 少子高齢化が進む中で、意欲と能力のある人が長く働ける環境を整える狙いはうなずける。公的年金の支給開始年齢が65歳まで段階的に引き上げられることに対応する意味合いもある。

 民間では、2割の企業が65歳まで定年を延長し、8割が継続雇用制度を導入する。政府は今国会に70歳までの就業機会の確保を企業に求める法案を提出している。

 民間企業の動きに合わせて、公務員の定年を延長するのは、妥当な措置と言える。

 現在は60歳を過ぎた公務員を再任用しているが、大半は短時間勤務だ。能力や経験を生かし切れていないのが実情である。

 定年延長に伴い、公務員組織のあり方は変化を迫られよう。

 改正案は、60歳に達した人は局長や課長などの管理職から外れる「役職定年制」の導入を盛り込んだ。専門スタッフ職や課長補佐など非管理職に異動させる。

 中堅や若手の昇任機会が減れば、士気の低下につながりかねない。幹部が一線を退くタイミングを決めたのは適切だ。

 今後は、先輩が部下になるケースも増えよう。年功序列が色濃い官僚組織では、昇進に漏れた人は定年を待たずに退職することが少なくない。各府省には、こうした慣行の見直しが求められる。

 能力や実績に基づく評価を徹底し、年次にとらわれずに適切な人事配置を心掛ける必要がある。

 年齢構成のゆがみを避けるため、新規採用は一定の水準を保たねばならない。総定員が一時的に膨らむことはやむを得まい。

 政府は、60歳超の給与を7割に抑える方針だが、総人件費は膨らむ可能性がある。国民負担の増加が懸念される。公務員の賃金カーブを見直し、人件費をできるだけ抑制することが不可欠だ。

 改正案は、検察庁法に規定された検察官の定年を63歳から65歳に引き上げることも盛り込んだ。

 政府は1月、63歳を迎える黒川弘務・東京高検検事長の定年を特例として延長した。

 検察業務の遂行に必要なためと主張するが、延長の経緯に関する説明は二転三転し、国民の不信を招いている。政府は丁寧な説明を尽くさなければならない。

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1109288 0 社説 2020/03/15 05:00:00 2020/03/15 05:00:00

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