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新型コロナ 中国の対応は模範にはならぬ

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 中国で新型コロナウイルスの新たな感染者数が大幅に減少している。共産党政権は対策の成果を誇示するが、模範とするわけにはいかない。

 習近平国家主席は主要20か国・地域(G20)首脳のテレビ会議で「多大な犠牲を払い、国内の状況は好転している」と述べた。王毅外相らは「中国の制度の優位性を示している」と自賛する。

 感染の中心は中国から欧米に移った。中国は、イタリアなどへの医療支援を加速させている。国際的な影響力拡大につなげる狙いがあるのだろう。

 国内では感染が最初に拡大した湖北省武漢市の封鎖措置を来月解除することを決め、経済活動の再開に向けた準備を進める。感染の「逆流入」を防ぐため、外国人の入国を原則禁止するという。

 都市封鎖や交通機関の停止、人の移動制限が、感染の封じ込めに有効だったのは間違いない。最先端技術で個人を監視して移動履歴まで把握し、軍や党組織を総動員して規制を徹底させる。こうした手法は中国ならではだ。

 欧米では緊急事態宣言など法的な手続きが必要なのに対し、共産党一党支配の中国は民主的なプロセスを経ずに強硬措置を取ることができる。だが、中国方式が優れているとは言えない。

 忘れてはならないのは、硬直した官僚組織と情報を隠蔽いんぺいする体質が初動の遅れを招き、世界的な感染拡大につながったことだ。昨年末の段階でいち早く警鐘を鳴らした武漢の医師は「デマを流した」として地方政府に処分された。

 習政権は問題があったことを認め、医師の名誉回復には応じたが、その後も政府に批判的なSNS上の発信を削除するなど社会統制を強化している。

 異論を封じ込める権威主義的な統治では、必要な情報の共有が遅れ、新たな感染症の危機を防げないのではないか。

 そもそも中国の公式統計には疑念が拭えない。中国はウイルス検査で陽性でも、無症状なら感染者数に算入しない。約4万3000人が除外され、実際は12万人を超える可能性があるという。

 他国と異なる集計方法では、情報共有の意義が減じる。中国は一連の対応を検証し、徹底した情報公開で貢献せねばならない。

 習氏はトランプ米大統領と電話で会談し、ウイルス対策で協力を続けることを確認した。世界経済への悪影響を食い止める方策についても議論を深め、米中両国で主導していくべきだ。

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1133361 0 社説 2020/03/28 05:00:00 2020/03/28 05:00:00

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