航空会社の支援 世界つなぐインフラ守りたい

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 新型コロナウイルスの感染拡大で航空会社が揺らいでいる。自由な人の往来が世界経済の成長を支える。空の交通インフラを守るため、各国は支援策を講じるべきだ。

 世界各国が、他国との人の行き来を規制している。感染の抑止のためにはやむを得ないが、航空会社は大半の国際便の運航停止を余儀なくされている。

 2001年の米同時テロや03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行、08年のリーマン・ショックの際も航空需要が急減し、各国は融資などで支援した。

 今回は、これらをはるかに上回る未曽有の危機だ。

 世界の航空会社で作る国際航空運送協会(IATA)は、感染拡大の影響で、20年の世界の旅客収入が2520億ドル(約27兆円)落ち込むと試算する。

 航空会社は機体償却やリースの費用、人件費など固定費の割合が高く、減収が赤字につながりやすい。今後、リストラなどの経営努力だけでは乗り切れず、破綻が相次ぐとの見方もある。

 倒産が多発すれば、感染拡大が沈静化した後の円滑な運航再開を妨げかねない。世界的な人やモノの移動が滞り、経済再生に悪影響が及ぶ事態は避けたい。大胆な対応が必要となろう。

 米政府は、2・2兆ドル規模の経済対策の一環として、500億ドル以上の資金枠を設け、航空会社の支援にあてるという。

 アジアでは、シンガポール航空が、政府系ファンドなどから1兆円規模の資金拠出を受け、財務基盤を強化する方針だ。

 苦しい状況は日本の航空会社も変わらない。全日本空輸と日本航空はともに、4月の国際線のうち9割近くが欠航する。

 格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションは当面、国際線を全便運休する。LCCは規模が小さい。影響を注視したい。

 国内の航空会社が加盟する定期航空協会によると、2~5月の減収は5000億円にのぼり、リーマン・ショック後の約3000億円を超える見込みだ。

 全日空と日航は役員報酬をカットする。全日空は、客室乗務員約6400人を一時休業させる。それでも資金繰りは厳しく、日本政策投資銀行に3000億円の融資を求めた。事業継続と雇用維持に全力を挙げてほしい。

 政府は空港使用料の納付を猶予し、航空機燃料税の延納容認も検討する。航空会社の自助努力を後押しする方策が急務である。

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1161308 0 社説 2020/04/12 05:00:00 2020/04/12 05:00:00

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