天皇即位1年 試練の新時代に着実な歩み

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 天皇陛下が即位されて1年を迎えた。令和の時代は、災害や感染症などの試練に見舞われてのスタートとなった。

 その中でも、陛下は皇位継承の儀式をはじめ、数々の公務を着実にこなされた。体調が心配された皇后さまも陛下とともに儀式や行事に出席されている。

 両陛下は昨年12月、台風19号で甚大な被害を受けた宮城、福島両県を訪問し、水害に遭った住民らを励まされた。被災者に温かい声をかけ、握手を求める人には力強く握りかえされた。

 陛下は1年前の即位の際、「常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たす」と述べられた。そのお言葉を誠実に実践されていると言えるだろう。

 今年に入って広がった新型コロナウイルスの感染は、皇室行事に影を落としている。

 今春予定されていた両陛下の英国公式訪問は先延ばしとなった。即位後初の海外訪問で、留学経験のある陛下にとっては、英国王室との交流を深められる機会となるはずだっただけに残念だ。

 活躍したスポーツ選手や各界の著名人らと歓談される春の園遊会は、中止が決まった。両陛下が出席される島根県での全国植樹祭の開催も、1年延期された。

 行事を通じて、両陛下と触れ合うことを楽しみにしていた人も多かったのではないか。

 陛下は4月、政府の感染症対策専門家会議の尾身茂副座長から説明を受けられた。

 その席で陛下は「日夜、現場で医療などに携わってこられている多くの関係者のご努力を深く多とします」と述べられた。患者の命を救うために働く医療従事者への感謝の思いがにじんでいる。

 感染を拡大させぬよう、外出自粛など一人ひとりができることをしっかり行う必要があろう。

 感染拡大により、秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣となられたことを広く示す「立皇嗣の礼」も延期となった。儀式には大勢の招待者が出席する予定だった。延期はやむを得まい。

 当初、皇位の安定継承や女性宮家の創設を巡る議論は、立皇嗣の礼の後に本格化させる予定になっていた。だが、延期に伴い、先送りされる見通しだ。

 皇位継承権を持つ男性皇族は3人にとどまる。皇室の在り方を巡る議論は、避けて通れぬ重要課題だ。政府は国民の理解を得ながら、議論を進めてもらいたい。

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1196873 0 社説 2020/05/01 05:00:00 2020/05/01 05:00:00

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