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金融システム 安定維持して企業を支えよ

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 コロナショックは、様々なルートを通じて金融システムを揺さぶる恐れがある。安定性を維持するため、関係当局は万全を期すべきだ。

 日本銀行は、金融に関する状況を半年ごとに点検する報告書を公表した。感染拡大に伴う景気低迷が長期化した場合、「実体経済・金融の相乗的な悪化につながる可能性がある」と指摘した。

 万が一、金融危機に発展して銀行の貸し渋りが広がれば、経済への下押し圧力はより強まる。そうした事態は避けねばならない。

 金融機関にとって最優先の課題は、コロナの影響で資金繰りが悪化した企業をできる限り支えることである。貸出先の事情に応じて、返済猶予や新規融資に柔軟に対処してもらいたい。

 企業倒産がこのまま増えてしまうと、金融機関は多額の不良債権処理を迫られよう。保有株の下落による評価損も懸念材料だ。

 日銀は報告書の中で、2008年のリーマン・ショック級の危機が起きれば、邦銀は20年度から3期連続の最終赤字に陥る可能性があるとの試算を示した。

 コロナ危機はリーマン以上と言われる。先行きも見通せない。邦銀は現時点で十分な自己資本を維持しているものの、今後の感染状況次第では安心できまい。

 企業に滞りなく資金が届くようにするには、金融機関が経営の健全性を保つ必要がある。政府と金融界は世界経済の低迷が長引く事態も視野に入れ、対策を練っておくことが大切だろう。

 銀行の財務内容が大きく悪化した場合、公的資金の注入による資本増強が選択肢になる。地方の金融機関は合併や統合による経営基盤の強化も模索すべきだ。

 邦銀は、より高い利回りを目指して、比較的リスクが大きいとされる投資や融資を海外で増やしてきた。保有する海外債券の約4割は、投資適格の中で最も格付けが低い。リスク管理が適切だったのか、再点検が求められる。

 3月以降、世界中でドル資金の調達が難しくなった。企業やファンドが株式などの資産を売って、国際決済で多く使われるドルを確保する動きが強まったからだ。

 日米欧の中央銀行は、ドルを融通し合う仕組みを拡大し、大量のドル資金を民間の金融機関に供給した。素早い対応で市場の動揺を抑えたのは評価できる。

 これは、リーマンの教訓を生かした国際協調の一例と言える。政府・日銀は主要国とも連携し、苦境を乗り切ってほしい。

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1207065 0 社説 2020/05/08 05:00:00 2020/05/08 05:00:00

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