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子供の自殺増加 見守り体制の充実が急務だ

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 自殺する子供が増え続けている。新型コロナウイルスの影響が長期化するなかで、学校現場や周囲の大人はこうした事態を防ぐための手立てを尽くさねばならない。

 厚生労働省と警察庁の調査によると、2019年の全国の自殺者は2万169人と10年連続で減少した。ところが、10歳代の子供だけが前年より増えて659人となった。3年連続の増加で、過去20年間で最も多い。

 夏休みなどの長い休み明けの前後に自殺が増える傾向が続いている。友人との不和や学業の悩みを抱える子供は、学校に戻ることに重圧を感じやすい。そうした事情が関係しているとみられる。

 コロナの影響で2か月余りに及んだ休みを経て、各地の学校が段階的に再開されている。留意すべきは、例年の休み明けとは異なるリスクがある点だ。

 休み中、部活動は行われず、図書館なども閉鎖され、子供同士が会う機会はほぼ絶たれた。多くの子供が再会を待ちわびる一方で、学校になじめずにいた子供は、周囲との温度差を感じ取り、ますます学校に戻りづらくなる。

 元気に過ごしていた子が、休みの間に苦境に陥っている可能性がある。休業が長引いて経済的に追い込まれた家庭は多く、自粛要請で外出できないストレスも加わる。家庭で子供が暴力を受けているケースの増加が懸念される。

 服装に乱れはないか。急な体重の増減はないか。身近な存在である教師が、こうした変化の兆候を見逃さないことが大切だ。

 ただ、教師は多忙を極めている。感染防止対策に加え、授業スケジュールの見直しや家庭学習のために出した宿題の添削にも時間を割かなければならない。一人ひとりの子供に目配りできる余裕のない教師もいるかもしれない。

 スクールカウンセラーや教員OBを積極的に活用し、子供を見守る目を増やすことが欠かせない。親が子供の様子に注意を払うのはもちろん、通学路の交通安全活動を行う地域住民も、元気のない子がいないか気をつけてほしい。

 気がかりなのは、子供が心の内を吐露する相談窓口の機能が低下していることだ。自殺予防に取り組む民間団体の8割が、自粛要請に伴う施設の閉鎖などで活動の休止や縮小に追い込まれている。

 自治体は活動場所の確保などに協力する必要がある。各地の法務局では、人権擁護委員が子供たちの相談に応じている。官民で見守り体制の充実に努めたい。

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1225724 0 社説 2020/05/18 05:00:00 2020/05/18 05:00:00

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