給与買い取り 新手のヤミ金融に注意したい

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 給与の買い取りを装った、新手のヤミ金融が横行している。新型コロナウイルスの影響で経済的に追い詰められた人たちが、被害を受けないかどうか懸念される。

 問題となっているのは「給与ファクタリング」と呼ばれる取引だ。業者は、利用者が給与を受け取る権利を債権として買い取り、手数料を引いた額を前払いする。利用者は後日、支給される給与から債権と同額を業者に支払う。

 インターネット上には「借金ではない」「利息ゼロ」などと書かれた広告が多数出ている。

 企業の売掛債権の買い取りと似た形をとっているが、実態は高利で現金を貸し付ける行為と変わらない。金融庁が「違法なヤミ金融だ」として、注意を呼び掛けているのはうなずける。

 業者に渡る手数料は、年利に換算すると数百~1000%を超える高額なケースが多い。

 業者が貸金業の登録を受けていなければ、貸金業法違反となり、年20%を超える利息を取ると出資法違反に問われる。年利109・5%を超えれば、10年以下の懲役か3000万円以下の罰金などが科される重い犯罪だ。

 被害対策弁護団や国民生活センターには、給与ファクタリングに関する相談が多く寄せられている。利用を重ね、返済に窮している事例が目立つ。業者に電話でどう喝されたり、勤務先の会社に乗り込まれたりした人もいる。

 4月以降は、コロナの影響による経済活動の停滞で、収入が減った結果、業者への支払いができなくなったという相談も出てきた。コロナ禍で具体的な被害が顕在化してきたと言えよう。

 緊急事態宣言の解除が進んでいるとはいえ、経済が元通りになるまでには、なお時間がかかる。当座の資金を手に入れるために、給与ファクタリングを利用する人が増える恐れがある。

 国や自治体が、危険性を周知することが欠かせない。弁護士会の相談体制の強化も大切だ。

 利用する側の心理的ハードルを下げようとする、ネット上の広告にも注意が必要である。

 金融庁はグーグルなどネット検索サイトの運営会社に対し、給与ファクタリングに関する広告を削除するよう要請している。運営会社は協力し、問題のある広告の監視に努めてもらいたい。

 被害の拡大を防ぐためには、悪質業者の摘発が欠かせない。警察当局には、金融庁などと連携した徹底捜査が求められる。

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1236056 0 社説 2020/05/23 05:00:00 2020/05/23 05:00:00

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