年金改革法成立 非正規労働者の不安和らげよ

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 パートら非正規労働者の老後の生活を底上げする意義は小さくない。

 年金改革関連法が成立した。厚生年金の適用対象が拡大され、従業員数が少ない企業の短時間労働者も加入できるようになる。

 現在、加入が義務づけられているのは「従業員数501人以上」などの要件を満たす企業だ。これを2022年10月に「101人以上」、24年10月に「51人以上」に広げる。これにより、新たに計約65万人が加入する見込みだ。

 年金は、国民共通の国民年金と会社員らが入る厚生年金の2階建て構造だ。非正規労働者の多くは厚生年金の対象から外れ、老後は国民年金しか受け取れない。満額でも月6万5000円程度だ。

 非正規労働者は働く人の約4割を占める。就職氷河期世代をはじめ、老後の生活に不安を抱えている人も多い。着実に改革を実施し、困窮を防ぐことが大切だ。

 保険料を折半することになる企業に配慮し、段階的に適用を拡大するのは現実的な判断と言えよう。新型コロナウイルスの影響が大きい企業には、保険料の納付を1年間猶予する特例も設けた。国は周知に努めねばならない。

 高齢者が働いて一定の収入がある場合に年金が減額される「在職老齢年金制度」も見直された。

 現在は、60~64歳の賃金と年金の合計月額が28万円を超えると年金が減る。この金額を22年度から47万円超に引き上げる。

 働いても年金が減らないケースが増え、意欲ある高齢者が積極的に就労することが期待できる。

 残念なのは、給付水準を徐々に下げる「マクロ経済スライド」の改革が先送りされたことだ。デフレ下では想定通り実施されず、引き下げが遅れている。

 その分だけ将来世代の年金が減ってしまう。経済情勢にかかわらず実施できる制度に改めるべきだ。少子高齢化が進む中、制度の信頼性を維持するためには、給付の抑制は避けて通れない。

 企業が必要な手続きを怠っているため、厚生年金に加入する資格があるのに未加入になっている労働者が多いという問題もある。厚生労働省の推計によると、約156万人に上る。企業が保険料負担を避けたいのだろう。

 政府は、対応に問題がある企業への指導や立ち入り検査を進め、監視を強化すべきだ。

 年金は高齢者の生活を支える基盤である。制度や運用を不断に見直して持続性を高め、年金不信を払拭ふっしょくしてもらいたい。

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1254708 0 社説 2020/06/02 05:00:00 2020/06/02 05:00:00

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