新興企業の支援 事業創造の芽を大切にしたい

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、新興企業が苦境に陥っている。技術革新や新事業の創造を絶やさないよう、政府や大企業などによる戦略的な後押しが必要だ。

 創業から間もない新興企業は、赤字のケースが多い。通常の銀行融資は受けにくく、主に政府系金融機関による融資と、投資ファンドや大企業などからの出資で運転資金を賄っている。

 だが、新型コロナの影響で資金調達環境が一気に厳しくなった。市況の低迷を懸念するファンドや、本業の業績が悪化する大企業が慎重になったからだ。

 優れた技術を持つ有望な企業が先行投資できず、資金不足で相次ぎ倒産するような事態は、避けなければならない。

 新興企業に対する政府の支援は、後手に回ってきた。

 政府は5月、中小企業などに最大200万円の現金を配る「持続化給付金」制度を始めた。当初は前年比で売り上げが半減したことが要件で、創業直後の企業は支給を受けられなかった。

 追加の経済対策を盛り込んだ第2次補正予算案では対象に含めたが、手元資金の乏しい新興企業の救済は急を要する。政府は、迅速な給付に努めるべきだ。

 2次補正では、企業に対する資本強化策を打ち出し、新興企業も対象とする。財務基盤を安定させて資金調達をしやすくする狙いだ。事業の将来性を吟味し、実効性のある支援につなげたい。

 「新たな生活様式」に沿った社会の変革を進めるには、独創的な発想や技術が欠かせない。感染拡大の防止と経済活動の再開を両立させるためにも、新興企業の存在はより重要になっている。

 すでに、一部で新ビジネスが広がりつつある。オンラインで高度な治療を遠隔から助言できる医療向け事業や、デジタル教材を配信する教育用サービスがある。

 密集を避けるため、飲食店や商業施設の混雑ぶりをスマートフォンに知らせるサービスが登場した。在宅勤務による営業の課題を洗い出すビジネスも出ている。

 こうした新事業の創出が増えていけば、新たな雇用を生む効果が期待できる。政府は、コロナとの共存につながる事業の支援にも知恵を絞ってほしい。

 デジタル化が進む中、大企業には新興企業との連携を望む機運が高まっていた。一時的な経済悪化でその流れを止めたくない。大企業やファンドには長期的な視点での投資判断を求めたい。

無断転載禁止
1254709 0 社説 2020/06/02 05:00:00 2020/06/02 05:00:00

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