日韓世論調査 文政権が相互不信を広げた

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 日韓関係に対する厳しい見方が双方の国民レベルで広がっていることの表れと言える。日本は当面、必要な分野での協力を続け、悪影響を最小限に抑えていくしかあるまい。

 読売新聞と韓国日報の共同世論調査で、現在の両国関係が「悪い」との回答は、日本で84%、韓国で91%に達した。1995年の調査開始以降、日本は3番目に高く、韓国は過去最悪だった。

 相手国を「信頼できない」とした人も、双方で多数を占めた。日本側では、韓国が執拗しつように歴史問題を蒸し返すことへの苛立いらだちが積み重なっている。

 韓国の文在寅政権の責任は大きい。韓国最高裁が日本企業に対し、「元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)」への賠償を命じる判決を出した後、実現可能な解決策をいまだに示していない。

 日本政府は、元徴用工を巡る問題は65年の日韓請求権・経済協力協定で解決しており、最高裁判決は国際法違反だとの立場だ。

 この主張について、日本では79%が「納得できる」と答えたが、韓国は「納得できない」が81%だった。隔たりは大きい。

 最高裁判決に基づき、日本企業の資産は差し押さえられている。現金化されれば、企業側に直接の不利益が生じる。日本にとっては断じて容認できない事態だ。

 文政権は日韓関係に与える打撃の大きさを認識し、打開策を講じねばならない。元徴用工への補償が必要だというなら、韓国政府が主体となって進めるのが筋だ。

 韓国世論の硬化は、日本の対韓輸出管理の厳格化に対する反発とみられている。韓国政府は、日本の措置がルール違反だとして、世界貿易機関(WTO)に提訴する手続きを再開すると発表した。

 文政権は、新型コロナウイルス対策が国民に高く評価され、自信を深めている。4月の総選挙では与党が圧勝した。政権基盤が強化された現状では、対日強硬路線の大幅な見直しは期待できない。

 大切なのは、対立を安全保障など日韓の協力が不可欠な分野に波及させないことだ。

 今回の調査で軍事的脅威を感じる国を複数回答で聞いたところ、「北朝鮮」が日本で79%、韓国で63%といずれもトップだった。中国を「信頼できない」とする回答も双方で約8割に上った。

 北朝鮮はミサイル発射などの挑発を繰り返し、中国は軍拡を続けている。北東アジアの安定のため、米国を中心に日韓が連携する態勢を維持することが求められる。

無断転載禁止
1270760 0 社説 2020/06/11 05:00:00 2020/06/11 04:06:35

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