マイナンバー 制度の意義踏まえ利用促進を

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 マイナンバー制度をうまく使えば、大規模な災害や感染症に見舞われた際、困窮する人を迅速に支援できる。政府は制度の重要性を国民に丁寧に説明し、活用を進めるべきだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う一律10万円の現金給付では、制度の問題点が露呈した。

 政府は、マイナンバーカードを利用したオンライン申請を導入したが、各自治体は振込先の口座番号などの確認に追われ、給付の遅れにつながった。あらかじめ、マイナンバーと預貯金口座をひも付けておけば防げた事態だ。

 米国では現金の支給方針の決定から約2週間で社会保障番号と連結した口座に振り込まれた。納税情報に基づき、高所得者への支給を制限することもできる。

 安倍政権は今回の反省を生かし、使い勝手の良い制度に改めていく必要がある。

 高市総務相は、1人あたり一つの口座とマイナンバーをひも付ける方向で法改正を検討する考えを示した。従来の社会保障、税、災害対策に加え、「経済対策の現金給付」をマイナンバーの利用範囲に加えるという。

 2016年に運用が始まったマイナンバー制度は、所得や納税、年金など別々に管理されてきた個人情報を一つの番号で結びつけることで、公正な課税や社会保障給付に役立てる意義がある。

 その趣旨を踏まえれば、全ての口座をマイナンバーとひも付け、資産状況を正確に把握することが筋だろう。脱税や生活保護の不正受給を防ぎ、所得制限付きの迅速な現金給付も可能となる。

 ただ、個人資産を把握されることに対する国民の懸念は根強い。政府が今回、全口座の連結は希望者に限定し、1口座のひも付けを目指す方針としたのは当面の措置としてやむを得まい。

 ひも付けの義務化には反発が予想される。証券口座の開設ではマイナンバーの提出が求められているが、預貯金口座は任意にとどまっている。まずは、国民が自発的に口座をひも付ける仕組みとするのが現実的ではないか。

 個人情報の流出はあってはならない。政府が管理を徹底し、国民の信頼を高めることが大切だ。

 マイナンバーカードの普及は1割台にとどまる。何のために必要なのか、どんな利便性があるのか、浸透していないからだろう。

 行政サービスのデジタル化を進める上でもマイナンバー制度の利用拡大は重要だ。業務の効率化を促す契機としたい。

無断転載禁止
1276498 0 社説 2020/06/14 05:00:00 2020/06/14 05:00:00

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