福祉の相談窓口 孤立家庭の支援につなげたい

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 介護や子育て、貧困など、家庭が抱える問題は複雑化している。自治体は幅広い相談に対応できる窓口を整え、悩みの解決につなげてほしい。

 相談業務の拡充に取り組む市区町村を国が財政支援する改正社会福祉法が成立した。分野別に分かれている窓口を一本化することで、住民が相談しやすい環境を整備する狙いがある。

 ひきこもりの50代と80代の親が地域から孤立する「8050問題」への対策が急がれる。親の介護と子育てを同時に担う「ダブルケア」という状況も生まれている。

 誰にも相談できず、苦悩している人は多かろう。そんな時に駆け込める場所があるのは重要だ。市区町村は、多様な悩みに耳を傾け、的確に助言できる相談体制を構築することが不可欠と言える。

 窓口を1か所に集約する「ワンストップ型」や、担当課で相談を受けた後、連携役の職員が関連部署や民間団体と調整する「つなぎ役配置型」などが想定されている。地域の実情に合わせて適切な仕組みを選択することが大切だ。

 三重県名張市は市内15か所に「まちの保健室」を設け、福祉分野などの相談に応じる。さらに、市役所の高齢者、障害者、子育てなどの各担当部署に連携役の職員を配置し、横断的に対応している。参考になる取り組みだ。

 課題は人材の育成である。

 相談に訪れても、窓口で「それは別の部署に行ってください」と、たらい回しにされるケースは少なくない。担当外のテーマは、自分の仕事ではないと感じている職員が多いためだろう。

 こうした事態を解消するには、各部署の業務内容や制度に精通し、内外に広い人脈を持つ専門家を育成することが欠かせない。

 困難に直面する家庭の支援は、自治体だけでは限界がある。地域の力も借りて、手厚い支援に結びつけたい。高齢者施設などを運営する社会福祉法人や、困窮者支援に取り組む社会福祉協議会、民生委員らへの期待は大きい。

 大事なのは、自治体が、支援を必要とする家庭の情報を、こうした団体などと共有し、しっかりと役割分担することだ。どこに行けば相談できるのか、住民への周知も忘れてはならない。

 今回の法改正で、社会福祉法人同士が運営資金を融通できるようになる。職員研修も共同で行いやすくなる。経営難や担い手不足を打開するためだ。経営基盤を強化し、苦境にある家庭の支援にも力を入れてもらいたい。

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1281950 0 社説 2020/06/17 05:00:00 2020/06/17 05:00:00

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