河井夫妻逮捕 選挙資金の流れを解明せよ

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 法秩序の維持を担う法相経験者が逮捕されるという異常な事態である。検察当局には厳正な捜査が求められる。

 衆院議員で前法相の河井克行容疑者と、妻で参院議員の案里容疑者が、いずれも公職選挙法違反容疑で逮捕された。

 克行容疑者は、案里容疑者が初当選した昨年7月の参院選広島選挙区で、広島県議ら90人超に票の取りまとめを依頼し、計約2500万円を提供した疑いがある。案里容疑者は、この一部について共謀したとされる。

 県議らの中には、現金の受け取りを認めている人もいる。国会議員が地域の有力者を買収する目的で、現金をばらまいたとすれば言語道断だ。大規模で広範な選挙買収が行われた経緯を、捜査で解き明かしてもらいたい。

 参院選では、案里容疑者の秘書が車上運動員に違法な高額報酬を支払ったとして、すでに有罪判決を受けている。判決が確定し、連座制が適用されれば、案里容疑者の当選は無効になる。

 買収はもちろん、違法な報酬の支払いも選挙の公正を害する行為であり、看過できない。

 夫妻は昨年、週刊誌で選挙違反疑惑が報じられて以降、口を閉ざしてきた。疑惑を持たれた国会議員は国民に説明する責任を負う。夫妻は政治家としての自覚を欠いていると言わざるをえない。

 事件の背景には、選挙の熾烈しれつさもあったのではないか。改選定数2の広島選挙区に、自民党は6選を目指す元閣僚に加え、党本部主導で案里容疑者を擁立して、野党推薦の候補らと争った。

 地元県連が反発したことから、党本部は支援を得られなかった案里容疑者側に、1億5000万円を提供した。破格のテコ入れは、克行容疑者が政権中枢に近いためとの見方がある。

 買収の資金は、どこから捻出されたのか。夫妻の選挙資金の流れを洗い出すことが重要だ。

 夫妻は離党したとはいえ、自民党が税金を原資とする政党交付金を受け取っている以上、党にも一定の説明責任が生じよう。総裁である安倍首相は国民の厳しい視線を認識し、党内に順法精神を徹底させることが欠かせない。

 現職の国会議員としては、前自民党の衆院議員も昨年暮れ、カジノを中核とした統合型リゾート(IR)事業を巡る贈収賄事件で逮捕されている。

 国会議員の劣化が指摘されて久しい。一人ひとりの議員が規律の保持を肝に銘じねばならない。

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1286464 0 社説 2020/06/19 05:00:00 2020/06/19 05:00:00

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