中国の威圧外交 懸念と不信を高めるだけだ

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 中国の威圧的な行動が各地で目立っている。習近平政権は、対立の激化が国際社会の懸念と不信を招き、国益を損なうことを認識してほしい。

 中国とインドの国境係争地で両軍部隊が衝突し、インド兵20人が死亡した。中国側にも死傷者が出た。にらみ合いは長年続いているが、死者が出たのは45年ぶりだという。

 インドが新型コロナウイルス対策に追われるなか、中国がその隙を突いて攻勢に出たのではないか、との疑念は消えない。

 中国とオーストラリアの関係も悪化している。モリソン豪首相は中国を念頭に「他国から高度なサイバー攻撃を受けている」と語った。豪州は中国人観光客が多く、留学先としても人気が高いが、中国政府は渡航自粛を決めた。

 豪州がコロナの発生源に関する国際調査を要求したことへの報復と言われる。南シナ海での軍事活動強化など地域情勢を不安定化させる中国の行動は他にも多い。

 豪印は、両国間の安全保障協力の強化にかじを切った。中国との経済関係を重視し、対立を避けてきた欧州や東南アジア諸国にも反発が広がっている。中国にとって戦略的な損失ではないか。

 世界中を敵に回すような中国の姿勢は、コロナ禍を機に強まった。国内で大ヒットした中国アクション映画のタイトルにちなんで「戦狼せんろう外交」と呼ばれている。

 「中国を侮辱する者は誰でも、必ず根絶されねばならない」という映画の宣伝文句の通り、敵対的とみなした相手を威嚇する。外交官が欧州のコロナ対策を「稚拙」と非難したり、中国の医療支援への感謝を強制したりした。

 「戦狼外交」は、国内の苦境の反映だとの見方が強い。

 米中貿易摩擦とコロナ禍で経済は冷え込み、雇用情勢は悪化している。「コロナを抑え込んだのは体制の優位の表れだ」という習政権の主張は、北京での感染再拡大で説得力を失いつつある。

 求心力維持のため、国民に対外強硬姿勢をアピールし、ナショナリズムと外国への敵意をあおる手法は危険だ。「米国第一」のトランプ政権に代わり、国際秩序を主導すると強調しても、各国の幅広い支持は得られまい。

 沖縄県・尖閣諸島周辺で、中国公船の活動がこれまで以上に活発化しているのも容認できない。

 日本政府は習政権に対し、東シナ海の安定なしに日中関係改善は進まないことを改めて伝えていかなければならない。

無断転載禁止
1304398 0 社説 2020/06/27 05:00:00 2020/06/27 05:00:00

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