防衛白書 脅威の増大へ対処能力高めよ 

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 米中、米朝関係が不透明さを増し、日本の安全保障環境は厳しくなっている。日米同盟を強固にしつつ、着実に防衛力を整備せねばならない。

 2020年版の防衛白書が公表された。白書は、北朝鮮の核・ミサイル開発について「わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」と指摘した。小型の核弾頭を弾道ミサイルに搭載し、日本を攻撃する可能性に初めて触れた。

 北朝鮮は、変則的な軌道で飛行する新型ミサイルの発射を繰り返している。日本の防衛網をかいくぐる事態を懸念する声は多い。

 政府は先月、ミサイル防衛の要となる地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の導入中止を決めた。白書は、推進装置を確実に海上などに落下させるには「相当のコストと期間を要する」と、断念の理由を記した。

 だが、そうした技術的な問題はかねて指摘されていたはずだ。

 政府は、導入を決めた17年、費用を2基で1600億円と積算し、その後、運用経費を含めて4700億円と説明を変えた。

 技術的な検討や、購入計画の見通しが甘かったと言わざるを得ない。防衛政策の安定性を損なわぬよう、政府は今回の経緯を丁寧に検証する必要がある。

 新装備導入の見送りを踏まえ、自民党は、相手からの攻撃が切迫した事態に備えた敵基地攻撃能力の保有を検討している。

 多数のミサイルが発射された場合、すべてを撃ち落とすのは難しい。巡航ミサイルなどで反撃できる能力を確保することは、抑止効果という観点からも理にかなう。

 米軍が担う打撃力を自衛隊が補完し、同盟を深化させる意義は大きい。国際法上、違法な先制攻撃との混同を避けるため、名称の変更も検討に値しよう。

 白書は、軍備を増強する中国について「安全保障上の強い懸念」と位置づけた。沖縄県・尖閣諸島周辺での中国公船の活動に関しては、「執拗しつように継続」と批判した。威圧的な行動は看過できない。

 中国は、海上保安機関の海警と、軍の一体運用を進めている。尖閣周辺では、機関砲などで武装した中国公船も目立つ。

 海上保安庁と自衛隊が連携し、領土を守る態勢を強化すべきだ。南西海域に配置する巡視船を増やし、護衛艦と協力して警戒監視にあたることが重要である。

 自衛隊は、奄美大島と宮古島にミサイル部隊を常駐させた。離島への部隊配備を計画的に進めて、抑止力を高めたい。

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1342105 0 社説 2020/07/15 05:00:00 2020/07/15 02:32:16

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