副業の普及 多様な働き方に合うルールを

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 副業を希望する会社員らが増えている。新しい働き方に即した労務管理のあり方を考えたい。

 政府は副業を普及させるため、成長戦略実行計画に、労働時間管理の新たなルールを設ける方針を盛り込んだ。今秋の導入を目指し、労働政策審議会で具体策をまとめる予定だ。

 副業を望む人は、収入を確保する目的だけでなく、人脈を広げ、職業能力を高める狙いがあるのだろう。テレワークが拡大したことも後押ししている。

 企業にとっても、従業員が社外で得た知見を新規事業に結びつけられるなどの利点がある。

 民間団体の調査によると、副業を認める企業は3割にとどまっている。労働時間管理の難しさが一因で、そのルールを改善しようとする政府の意図は理解できる。

 問題は、複数の企業で働く人の労働時間をどのように把握するかである。労働基準法は、過重労働を避けるため、企業が本業と副業の労働時間を合わせて管理することを求めている。

 政府は、従業員が企業に対し、副業の労働時間を伝える自己申告制を打ち出した。漏れや虚偽があっても、企業の責任を問わないとしている。諸外国も同様といい、現実的な対応ではないか。

 懸念されるのは、働き過ぎを見逃す事態である。副業がしやすくなれば、生活のために、アルバイトやパートなどで長時間働く人が増える可能性もある。過労死を招くことがあってはならない。

 副業で働く時間も、残業時間の上限規制が適用される。その範囲に収まるよう、本業・副業それぞれで働く時間を労働者と勤め先があらかじめ決めておくことも有効だ。企業は、従業員の健康管理に一層配慮せねばならない。

 雇用保険制度の対象を拡大することも必要となろう。

 現在は、1社で週20時間以上働く人などが加入できる。本業と副業の労働時間の合計が週20時間に達しても対象にはならない。

 65歳以上については、生活を下支えするため、2022年度から、労働時間を合算して加入できるようになる。円滑に加入手続きができるかどうかなど、運用上の課題を洗い出し、65歳未満への適用を検討することが大切だ。

 雇用の形式ではなく、請負契約で副業をする人も多い。請負は労基法に基づく労働時間管理の対象ではないが、働き過ぎとなる懸念は拭えない。働く人の健康をどう守るか。政府は実態を踏まえ、さらに知恵を絞ってほしい。

無断転載・複製を禁じます
1349564 0 社説 2020/07/18 05:00:00 2020/07/18 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

一緒に読もう新聞コンクール

新着クーポン

NEW
参考画像
ランチでご来店のお客様にジェラートをサービス
NEW
参考画像
600円300円
NEW
参考画像
アクティビティご利用でソフトドリンク1本サービス
NEW
参考画像
ご宿泊のお客様の夕食時に地酒(お銚子)またはソフトドリンク1本サービス

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ