米大統領選 郵便投票の利点を生かせるか

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 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎながら、公正かつ迅速に投開票を行う仕組みをどう整えるか。11月の米大統領選の大きな課題である。

 焦点となっているのは、「郵便投票」の拡大だ。自宅に送付される投票用紙を郵便で返送したり、指定の場所に投函とうかんしたりして投票するため、投票所での感染リスクを避けることができる。

 不在者投票の手段としては50州全てが導入している。4年前の前回大統領選では、投票総数の4分の1近くが郵便投票だった。

 今回は、カリフォルニア州が登録有権者全員に郵便投票の用紙を送る方針を決めるなど、利用促進を図る動きが目立っている。

 米国のコロナ禍が収まる気配がない中で、推進論が広がるのはうなずける。問題は、その是非が政治対立を深め、選挙後もしこりを残しかねないことだ。

 トランプ大統領や与党・共和党は「投票用紙偽造や、なりすまし投票などの不正を招く」と主張し、反対している。一方、野党・民主党の候補となるバイデン前副大統領は「投票をしやすくする必要がある」と拡充を唱えている。

 民主党の支持基盤である黒人や中南米系の有権者は、白人と比べて投票率が低い傾向がある。白人を中核支持層とするトランプ氏や共和党は、郵便投票の拡大による投票率上昇が、陣営に不利に働くと判断しているのだろう。

 郵便投票を巡る政治対立を抑えるには、有権者登録時の書類と返信封筒の署名を照合するなど、不正防止策を徹底し、信頼性を高める取り組みが欠かせない。

 開票・集計の時間を短くするための体制強化も重要だ。封筒から投票用紙を取り出す分、手間がかかるのは避けられない。投票日の消印があれば、翌日以降に届いても有効とする州もある。

 大統領選は、各候補の総得票ではなく、州ごとの勝敗の積み重ねで勝者が決まる。複数の州で開票作業が長引いた上に接戦となり、投開票日の翌日になっても勝者が判明しない事態が懸念される。

 トランプ氏が大統領選の結果を受け入れるかどうかについて、明言を避けているのも気がかりだ。自らの敗北を示す開票情報が出ても、「郵便投票などで不正があった」として異論を唱える余地を残そうとしているのではないか。

 選挙は民主主義の根幹である。大統領選の結果は米国だけでなく、世界全体の進路を左右する。米国はその重責を認識し、模範を示してもらいたい。

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1355600 0 社説 2020/07/21 05:00:00 2020/07/21 05:00:00

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