香港議会選 自由と民主主義守る試金石だ

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 中国が香港での反体制活動を取り締まる国家安全維持法(国安法)を施行してから、初めての選挙である。香港の自由と民主主義が守られるのかを判断する試金石となろう。

 香港で9月の立法会(議会)選挙の立候補受け付けが始まった。定数70の半数は直接選挙枠で、残りは業界別の代表らが投票する職能枠で選ばれる。職能枠は中国との関係が深い経済界の意向が反映され、親中派候補が有利だ。

 4年前の選挙では、民主派は計30議席で過半数に届かなかった。民主派は今回、過半数を獲得し、中国の強権的な介入に抵抗する民意を示すことを目指している。票の分散を避けるため、事前に予備選を行い、候補を絞り込んだ。

 有権者登録をした人は過去最多の447万人に上ったという。予備選には、民主派の想定を大幅に上回る61万人が参加した。住民の高い関心と、国安法に対する抗議の意志の表れと言える。

 懸念されるのは、中国が国安法違反を理由に、民主派候補の出馬を認めなかったり、当選後に議員資格を剥奪はくだつしたりする事態だ。当局は、民主派が「香港の統治権奪取」を狙っているとして政権転覆の疑いで調査を始めた。

 国安法が禁じる「国家の分裂」や「政権転覆」の内容は曖昧だ。法律の細則は、警察の令状なしの捜索やネット上の情報削除を認めている。民主派の選挙運動が厳しく制約されるのは間違いない。

 そもそも、香港基本法は中国への反体制活動を禁じる法律の制定を香港政府に義務づけている。香港主導の法制化の見通しが立たないからといって、中国が直接、制定したのは筋違いではないか。

 日英など27か国が、国安法の見直しと香港住民への人権侵害防止を求める共同声明を出したのに対し、中国は「人権問題を口実にした内政干渉だ」と反発した。

 人権や基本的自由の尊重は、国連憲章でうたわれた普遍的概念である。1993年の「ウィーン宣言」も、「全ての人権の促進、保護は国際社会の正当な関心事」と明記している。中国の一方的な主張は理解を得られない。

 一党独裁の中国で、法律は共産党の統治を徹底させる道具に使われてきた。中国本土では、人権派弁護士や改革派知識人に対する締め付けが強まり、不当な長期拘束や監視が常態化している。

 中国本土の現状は、明日の香港の姿を映し出す鏡である。日本や欧米は連携し、人権問題の重要性を訴え続けるべきだ。

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1362273 0 社説 2020/07/24 05:00:00 2020/07/24 05:00:00

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