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米中対立の激化 報復の連鎖に歯止めをかけよ

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 世界1、2位の経済大国である米国と中国の対立激化は、国際情勢のさらなる不安定化を招きかねない。両国は重い責任を自覚し、報復の連鎖を断つべきである。

 米国が南西部テキサス州ヒューストンの中国総領事館を「中国のスパイ活動の拠点」になっていることを理由に閉鎖させた。

 中国は対抗措置として、四川省成都の米総領事館を閉鎖させ、館員が「身分にふさわしくない活動」をしていたとも主張している。

 総領事館は、自国民の保護や現地情勢の把握、相手国との対話・交流の役割を担う。在外公館が不可侵というウィーン条約の規定を盾に、大国はしばしば激しい情報収集活動を展開している。

 スパイとみなされた外交官が国外退去処分を受ける例は少なくない。だが、相手国の不正行為を具体的に示さぬまま、公館の閉鎖にまで至るのは異例の事態だ。米中対立の深刻さの表れと言える。

 公館閉鎖を制裁に使う慣習が他国にも広がって、正当な外交活動が阻害されてはならない。

 米国は対中圧力強化をより鮮明にしている。ポンペオ国務長官はハーグの仲裁裁判所が2016年に出した判決を根拠に、南シナ海の海洋権益に関する中国の主張は「完全に不法だ」と述べた。

 ポンペオ氏の対中政策演説は、中国を国際社会に組み入れようとする歴代米政権の関与政策は失敗だとして、その転換を提起した。民主主義諸国が結束して中国を抑え込む必要性も強調している。

 中国の習近平政権が国際社会の警告に耳を傾けず、法の支配や貿易ルール、人権を無視する措置をとってきたことは否定できない。南シナ海の軍事化を進め、国際約束を破って香港の自由を奪い、世界の秩序を脅かしている。

 中国の行動を米国が改めさせようとするのは理解できる。問題はその手法とタイミングだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大で米中の対話の機会が減っているなか、報復合戦を続ければ、緊張が高まり、不測の衝突に発展する恐れもある。度を越した米国の強硬措置は、日本や欧州諸国の支持も得られないのではないか。

 トランプ米大統領が11月の大統領選での支持固めに向けて、中国との対決姿勢をアピールしているという疑念は拭えない。習政権も国内の「弱腰」批判を避け、威信を保つため、米国に強く出ざるを得ない事情があるとみられる。

 米中双方が冷静さを取り戻し、収拾策を探らねばならない。

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1369480 0 社説 2020/07/28 05:00:00 2020/07/28 05:00:00

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