コロナワクチン 早期実用化へ手立て講じよ

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 新型コロナウイルスの感染が全国で勢いを増している。流行抑止の鍵を握るワクチンの実用化を急がねばならない。

 世界でワクチンの臨床試験が20件以上進んでおり、開発は大詰めを迎えている。英製薬大手のアストラゼネカとオックスフォード大学のグループや、米バイオ企業のモデルナは、臨床試験の最終段階に入った。

 国内でも、新興のアンジェスなどが臨床試験を始め、来春以降の実用化を目指している。人工合成したDNAを使った新しい手法で、健康な人の体内に免疫を獲得させ、感染を防ぐ。開発のスピードアップが期待されよう。

 ワクチンの効果や安全性は慎重に評価しなければならず、通常は実用化までに数年程度かかる。政府は、安全性に配慮しつつも、手続きをできるだけ迅速化し、早期の承認を実現してほしい。

 巨額の費用がかかるワクチン開発は途中で失敗することが多く、製薬企業は積極的に開発に乗り出しにくい。たとえ成功しても、その頃までに流行が収まっている可能性もあり、企業が二の足を踏む原因となっている。

 ワクチンが完成した後も、当初は生産量が限られることから、各国が囲い込みに走る恐れがある。全国民に行き渡る量を確保するのは容易ではない。

 政府は、製薬企業が新技術を採り入れたり、生産ラインを整備したりする費用を支援すべきだ。ワクチンを国家備蓄として一定量、買い上げる仕組みを導入すれば、早い段階で大量生産に踏み切る企業も増えるのではないか。

 2009年の新型インフルエンザでは、医療従事者のほか、リスクが高い妊婦や子供から接種する方針が決められた。今回も、高齢者が重症化しやすい新型コロナの特徴などを考慮し、優先順位を事前に議論することが大切だ。

 接種を受ける人が増えるにつれて、大きな副作用が判明することもある。ワクチンの早期実用化のためには、重い副作用が出た場合の対応も製薬企業側と検討しておく必要があろう。

 海外では、ワクチンは国の安全保障にかかわる重要物資だという意識が強い。日本政府は、国内企業の支援に加えて、海外との輸入交渉も進め、十分な量のワクチン確保に努めてもらいたい。

 また、ワクチンの供給不足のほか、予防効果が不十分な場合も想定し、治療薬についても、並行して開発・承認の取り組みを急ぐことが重要である。

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1374157 0 社説 2020/07/30 05:00:00 2020/07/30 15:42:33

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