闇バイト 安易に受ければ代償は大きい

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 インターネット上で、「闇バイト」と呼ばれる犯罪行為の勧誘が横行している。若者が安易に手を出すケースが目立っており、注意が必要だ。

 SNS上で「闇バイト」と検索すると、「受け出し 報酬は5%」「日給10万円から」といった書き込みが大量に表示される。

 「受け出し」とは、特殊詐欺の被害者から現金やキャッシュカードを受け取る「受け子」と、現金自動預け払い機(ATM)から引き出す「出し子」を意味する。

 いずれも犯罪行為だ。募集に応じた男らが、高齢者宅に強盗に押し入る事件も相次いでいる。バイトという言葉とはかけ離れた重大な刑法犯である。

 書き込みでは、高収入、即日払い、リスクなし、などとうたっている。新型コロナウイルスの感染拡大で職や収入を失った人を狙った募集も多く、応じる人が増えるのではないかと心配だ。

 深刻なのは、関与する若者が多いことである。昨年、特殊詐欺に加担したとして、明治大や日大などの学生が逮捕された。

 代償は大きい。犯罪グループの手足として使われたあげく、刑事罰を受ける。退学を余儀なくされ、人生を棒に振ることになりかねない。大学や家庭が、安易に応募しないよう指導する必要がある。

 特殊詐欺の被害は高止まりしている。昨年は約1万7000件が確認され、被害額は300億円超に上る。被害者の8割超を高齢者が占める。警察には、引き続き摘発に力を入れてもらいたい。

 詐欺グループは役割を細分化している。一般の若者をネットで勧誘し、末端の「受け子」や「出し子」に利用することで、上層部は摘発を免れている。中国やタイなどに拠点を置く組織も現れた。

 グループ内のSNS上のやりとりを自動消去するアプリを使い、犯行の痕跡を消す手口もある。

 国際化、巧妙化する犯罪グループに迫るには、ネット監視を含めた捜査能力の向上が不可欠だ。

 警察庁は、犯行に使われた固定電話番号の利用停止措置を取っている。警視庁は今年10月から、無人ATMに携帯電話の電波妨害装置を試験導入するという。詐欺グループから被害者への振り込み指示を妨げる狙いがある。

 警察は金融機関や通信事業者などと連携し、被害を未然に防ぐ取り組みも進めてほしい。

 高齢者も自衛を心がけたい。留守番電話に設定し、怪しい電話がかかってきたら、ためらわずに警察に相談することが大切だ。

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1400665 0 社説 2020/08/11 05:00:00 2020/08/11 05:00:00

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