中国の海洋進出 日米同盟強化で力の空白防げ

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 日米両国の政治体制が今秋、節目を迎えようとしている。アジアに「力の空白」を招かぬよう、安全保障協力を積み重ねることが重要だ。

 河野防衛相と米国のエスパー国防長官が米領グアムで約7か月ぶりに対面で会談した。

 両氏は、北朝鮮の弾道ミサイルに対する防衛網の強化や、中国による東・南シナ海での現状変更の試みに反対する考えで一致した。沖縄・尖閣諸島に、対日防衛義務を定めた日米安保条約5条を適用する方針も改めて確認した。

 アジア太平洋の安保環境が厳しさを増す中で、日米の防衛協力を着実に進める意義は大きい。

 日本政府の再三の抗議にもかかわらず、尖閣周辺では、中国公船が領海侵入を繰り返している。中国公船2隻が日本の漁船に接近する動きを見せ、海上保安庁の巡視船が間に入る事態も生じた。

 海上保安庁と自衛隊が連携し、重点的に周辺海域の警戒監視にあたらねばならない。南西諸島への自衛隊の部隊配備も急がれる。

 自衛隊と米軍は、感染症の拡大で中止していた東シナ海での共同訓練を再開した。戦闘機間の戦術確認、洋上での燃料補給が主な任務だ。感染防止のため、人の往来は制限している。工夫を重ね、抑止力の維持に努めてほしい。

 ハワイ周辺海域で、日米豪などが恒例の合同演習を行ったところ、中国軍はこれに対抗するかのように、南シナ海や黄海などで大規模な演習を実施した。

 中国は南シナ海に人工島を建設し、軍事拠点化を進めている。米国はこれを容認せず、南シナ海への関与を強める方針だ。中国軍が先月末、この海域に中距離弾道ミサイル4発を発射したのは、米国を牽制けんせいする狙いだろう。

 中国は、軍事的な緊張を高めるべきではない。自国の覇権的な行動が地域の不安を生んでいることを認めねばなるまい。

 安倍首相が退陣を表明し、米国では11月に大統領選が行われる。政治が不安定化すれば、紛争の危険性が高まりかねない。

 日米両国は、同盟に隙が生じないよう、警戒を強める必要がある。閣僚や次官級、制服組などが重層的に協議し、不測の事態に備えることが大切だ。中国に自制を促し続ける努力も不可欠である。

 日米豪印4か国は、安保担当の高官協議を行う予定だ。海洋の秩序を維持するため、「自由で開かれたインド太平洋構想」を推進する狙いは妥当である。4か国の合同演習も検討に値しよう。

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1445825 0 社説 2020/09/01 05:00:00 2020/09/01 05:00:00

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