高齢者就労 高まる意欲に官民で応えたい

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 人口減少の中でも社会の活力を維持するため、意欲のある高齢者が働ける環境を整えたい。

 政府は、60歳以上を対象とした経済生活に関する調査の結果を発表した。2割が「働けるうちはいつまでも」と答えるなど、65歳を超えても働きたいという人は6割に上った。

 日本では少子高齢化が進み、将来にわたって人手不足が懸念されている。元気な高齢者にできるだけ長く働いてもらい、社会の支え手を増やすことができれば、社会保障の持続可能性も高まる。

 収入を得る人が増え、消費を喚起する効果も期待できよう。

 課題は、60歳代後半の就労環境をどう整備するかである。この調査によると、60歳代前半では男性9割、女性6割が働いているのに対し、60歳代後半になると、男性6割、女性4割に下がる。

 来年4月には、改正高年齢者雇用安定法に基づき、従業員に対し、70歳までの就業機会を設けることが企業の努力義務となる。

 家電量販店大手のノジマは、全社員を対象に、希望すれば80歳まで働ける制度を導入した。65歳の定年後も、1年契約の臨時従業員などとして雇用する。勤務形態や給与は個別に決めるという。

 高齢者の雇用を継続する場合、全体の人事・賃金制度の見直しが必要となることもあろう。各企業は、労働組合と十分に協議して検討を進めてほしい。

 制度改善のノウハウに乏しい中小企業もある。政府は、制度設計にかかる経費を助成する仕組みを設けている。広く周知して取り組みを後押ししたい。

 高齢期には、体力の個人差が大きい。企業は、労働時間や日数を調整できる柔軟な働き方を認め、健康管理に留意すべきだ。仕事中に転倒するといった労災も起きやすい。通路の段差解消など、安全な職場づくりが大切となる。

 定年退職後、別の企業への再就職を望む人も多い。政府は、全国のハローワークのうち300か所に生涯現役支援窓口を設けた。

 窓口では、アドバイザーが求職者の生涯設計就労プランを作り、希望する職種、収入、働き方を聞き取る。同時に、職員が地域の企業に働きかけ、高齢者に向く仕事を掘り起こすという。きめ細かな対応が再就職のカギを握ろう。

 経験をもとに起業したり、ベンチャー企業やNPOで働いたりと、様々な選択肢がある。高齢者の知見や能力をどう活用するか、政府や自治体、企業はさらに知恵を絞ることが必要だ。

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1448599 0 社説 2020/09/02 05:00:00 2020/09/02 05:00:00

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