フードテック 代替品は本物の肉に近づくか

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 食料の安定供給や地球温暖化防止を目指し、人工的に食材を作る「フードテック」普及への取り組みが始まった。おいしく、安心して味わえる技術革新に期待したい。

 フードテックによる食材には、例えば、大豆などの植物由来の代替肉や、先端技術を使って牛肉の細胞から作る培養肉がある。

 代替肉は、先行する欧米でファストフードから高級店まで広く利用され、日本でも一部ハンバーガーチェーンで販売されている。

 農林水産省は食品会社や大学、研究機関などと研究会を設け、食の海外依存度が高い日本にとって重要だとの報告書をまとめた。

 近く官民協議会を発足させ、品質を巡るルールや知的財産権を守る施策の検討に乗り出す方針だ。課題を精査し、国民の声を聞きながら推進することが望ましい。

 フードテックの第一の目的は、将来的な食料危機への備えだ。

 国連の推計では、世界の人口は2050年に2割以上増え、97億人になる。途上国の発展で、特にたんぱく源となる肉の生産量が足りなくなる恐れがある。代替肉や培養肉は、技術開発で畜産と比べ量産が容易になると見込める。

 環境問題にも貢献できよう。牛のゲップから出るメタンガスは地球温暖化の一因とされている。

 大豆が主原料の代替肉なら、環境への負荷軽減が可能だ。カロリーやコレステロールが低く、世界で強まる健康志向にも合う。

 大事なのは、消費者の安全性への不安を払拭ふっしょくするよう適切な措置を取ることである。

 日本では、「食の安心」に対する要求度が高い。品質や表示の基準を明確化し、事業者の認証制度などを整えていくべきだ。

 生産者は、味や食感など質を高める努力を続けてもらいたい。割高なコストの抑制も不可欠だ。

 産業育成も大切になる。代替肉には食肉大手が参入し、培養肉では東京大学と日清食品ホールディングスがステーキ肉の実用化に向け、研究を進めている。魚の陸上養殖や、遺伝子を改変するゲノム編集食品もテーマとなる。

 ただ、関連の年間投資額は米国の9500億円、中国の3500億円と比べ、日本は約100億円と少ない。民間の投資を促す政府の支援が重要となろう。

 日本はカップ麺を生み出し、和食も世界に広めた。他国の特色を取り入れた多彩な食文化は、訪日外国人客らにも人気だった。フードテックでも、新たな食の世界を切り開く工夫を重ねてほしい。

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1458871 0 社説 2020/09/07 05:00:00 2020/09/07 05:00:00

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