台風10号 迅速な避難を習慣づけたい

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 強大な台風の接近や上陸が相次いでいる。命を守るためには、迅速な避難行動を習慣づけることが大切である。

 大型で強い台風10号が九州全域を暴風域に巻き込み、激しい風雨をもたらした。土砂崩れや家屋の損壊が発生し、死傷者が出ている。停電は最大約65万戸に上った。国や自治体は、被害実態の把握を急いでもらいたい。

 過去最強クラスの台風と予想した気象庁は、九州接近の4日前から何度も、「特別警報級」「最大級の警戒を」と呼びかけた。住民らに危機意識を高めてもらう狙いがあったのだろう。

 自治体も早くから避難指示や避難勧告を出した。対象は九州7県で770万人を超え、20万人近くが避難所に身を寄せたという。こまめな情報発信が、住民の避難行動に結びついたのではないか。

 新型コロナウイルス対策では課題が残った。避難所での密集を防ごうと自治体が定員を減らしたため、住民を収容しきれないケースが続出した。福岡県久留米市は避難所を14か所増やして64か所にしたが、14か所が満員になった。

 コロナの収束は見通せず、今後も同様の事態が想定される。住民がスムーズに避難できるよう、自治体は工夫する必要がある。

 宮崎市は、避難所の収容状況をホームページで公表している。住民が空き具合を確認することができ、避難先選びに有効だろう。

 分散避難を試みた自治体もある。7月の九州豪雨で大きな被害を受けた熊本県人吉市は、市民約30人を約90キロ離れた熊本市に大型バスで避難させた。

 避難住民で満室になるホテルも目立った。自治体がホテルや旅館と協定を結び、避難先として活用する取り組みも進めたい。

 台風10号が勢力を増したのは、海面水温の上昇が原因だという。日本の南海上は8月、太平洋高気圧に覆われ、日射量が増えた。多くの水蒸気が発生したことで、台風が強大化したとみられる。

 一昨年の台風21号では、関西空港島で最大瞬間風速58・1メートルを観測した。昨年の台風15号でも、千葉市で57・5メートルを記録している。今後も各地で警戒が不可欠だ。

 今回は進路や規模がある程度、予想できる台風だったが、九州豪雨の原因になった「線状降水帯」のように、急速に発達して予測が難しい場合もある。

 ハザードマップで自分の住む地域の危険度を確認し、避難情報に注意を払う。日頃から、こうした防災の基本を徹底させたい。

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1463936 0 社説 2020/09/09 05:00:00 2020/09/09 05:00:00

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