自民総裁選告示 危機乗り越える戦略を論じよ

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 感染症がもたらす危機をどう克服し、新たな国家像を描くか。経済と社会の再生に向けて、日本が進むべき道を明示しなければならない。

 自民党総裁選が告示され、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長の3氏が立候補した。14日の両院議員総会で、新総裁が選出される。

 菅氏は党内5派閥の支援を取り付け、優位に立っている。政策が継承されるという安心感が広い支持につながっているのだろう。

 3氏は安倍政権の政策を総括した上で、何を発展させ、どう修正するかを議論してほしい。

 安倍政権の最大の成果は、政治を安定させたことだ。後継政権も強固な政治基盤を築き、果断に政策を遂行すべきである。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ、日常生活に安心を取り戻すことが喫緊の課題だ。

 菅氏は演説で、来年前半までに全国民分のワクチンを確保するとし、「メリハリの利いた対策を行う」と語った。岸田氏はPCR検査を拡充するとし、石破氏は特別措置法の早期改正を訴えた。

 感染症が流行する冬に備え、対策を徹底する必要がある。感染状況に応じて、機動的に対処する危機管理能力が問われよう。

 同時に、新政権が早急に取り組むべき課題は、経済を中長期的な安定成長に導くことだ。国内総生産(GDP)成長率は戦後最大の落ち込みとなり、企業の倒産や失業者の増加が懸念されている。

 当面は雇用維持や事業継続の給付金などでしのぐにしても、経済を力強く底上げするには成長戦略が不可欠である。

 菅氏が経済最優先を主張するのは評価できるが、経済成長を促す施策は安倍政権から引き継ぐものが目立ち、物足りない。

 菅氏は行政のデジタル化推進、岸田氏は「データ庁」新設を提案している。日本が後れを取るデジタル化への対応は急務だろう。

 3氏とも地方を重視し、岸田氏は格差の是正、石破氏は地方創生を掲げている。地方活性化は長年の懸案だ。困難を打破する具体策を示すことが重要である。

 米国と中国の覇権争いが深刻化し、国際情勢が不透明感を増す中で、外交や安全保障政策の論議が深まらないのは残念だ。

 長く外相を務めた岸田氏、安保政策に精通する石破氏に比べ、菅氏の外交手腕は未知数である。

 日米同盟の強化やアジア外交の将来展望について、大局的に論じてもらいたい。

無断転載・複製を禁じます
1463937 0 社説 2020/09/09 05:00:00 2020/09/09 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
500円400円
参考画像
ランチでご来店のお客様にジェラートをサービス
参考画像
アクティビティご利用でソフトドリンク1本サービス

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ