自民党総裁選 成長戦略をどう強化するか

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 新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた経済の再生は、自民党総裁選の大きなテーマだ。各候補は、納得できる具体策を競ってほしい。

 安倍内閣の経済政策である「アベノミクス」は、大胆な金融緩和と財政出動によって企業業績を回復させ、雇用を増やした。

 金融緩和について、菅義偉官房長官は、続けるべきだとの考えを表明した。岸田文雄政調会長と石破茂元幹事長も、当面、維持することを支持している。緩和継続の方向性は、妥当である。

 コロナ禍で、観光業や外食産業などの多くの企業と、その従業員らが苦境に陥る中、給付金などの財政支出も行う必要がある。

 重要なのは、金融・財政政策に続く「第3の矢」である成長戦略を進化させていくことだ。

 日本経済の実力を表す潜在成長率は現在、1%弱にとどまり、成長戦略の成果は乏しい。課題を再点検し、打開せねばならない。

 菅氏は、行政のデジタル化を強力に推進するという。役所の縦割り打破に向けた「デジタル庁」の創設も打ち出した。岸田氏も、ビッグデータを活用する「データ庁」の設置を唱えている。

 ただ、具体像は描き切れていない。社会全体のデジタル化は、国が約20年前から取り組みながら停滞してきた。実現への道筋を国民にわかりやすく説明すべきだ。

 地方創生による経済の活性化も各氏が訴えている。石破氏は、東京一極集中の是正を政策の柱に据え、予算や税制で支援することで、21世紀中頃までに約300万人の地方移住を実現するとした。

 岸田氏は、最新技術による「デジタル田園都市国家構想」を掲げ、ネットを使って地方でも仕事ができ、医療や教育が受けられる環境を整える考えを示している。

 菅氏は、ふるさと納税や農産品の輸出増などの実績を強調し、一段と加速させるという。

 問題はその実効性であろう。安倍内閣も地方創生に注力したが、逆に地方から東京圏への転入超過が拡大した。流れを変える実行力をアピールしてもらいたい。

 中長期的な経済成長には、国民の将来不安の軽減が不可欠だ。

 3氏が社会保障を支える消費税の減税を否定している点は評価できるが、持続可能な年金・医療制度などに関する論戦が低調では困る。社会保障費の増大で、財政運営はさらに厳しくなっている。

 給付と負担の見直しなど、国民の痛みを伴う改革についての論議も避けてはならない。

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1466161 0 社説 2020/09/10 05:00:00 2020/09/10 05:00:00

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