総裁選討論会 時代認識と国家観が重要だ

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 一国の指導者を目指す以上、確固たる時代認識と国家像を明らかにし、具体的な政策を論じることが大切である。

 自民党総裁選に立候補している菅官房長官、岸田政調会長、石破茂元幹事長が、日本記者クラブ主催の討論会に臨んだ。

 新総裁に本命視される菅氏は、「自助・共助・公助」というスローガンを掲げた。党の綱領にもある言葉だ。「縦割り行政を打破して規制改革を進め、国民に信頼される社会を作る」とも述べた。

 安倍内閣は、菅氏が主導してビザ発給緩和などを行い、外国人観光客を増加させた。各分野でこうした規制改革を実施し、経済成長につなげる考えなのだろう。

 政策の継続性を唱える菅氏に対し、岸田氏と石破氏は、その修正や転換を主張している。

 岸田氏は、市場原理を重視する新自由主義には批判があると指摘し、「格差や分断の問題にしっかり向き合う」と語った。石破氏は「一人一人に居場所がある社会を目指す」と訴えた。

 格差の拡大は、アベノミクスがもたらしたのか否か。自助と共助・公助のバランスはどうあるべきか。菅氏には、社会が抱える課題を的確に分析し、国が果たす役割を明確に語ってもらいたい。

 菅氏は、経済成長によって雇用を拡大することが重要だと述べた。だが、コロナ禍で事業の継続さえ不安視されている中、雇用環境の改善は容易ではない。

 検査や医療の体制を整備しつつ、時機をとらえて需要喚起策を実施する必要がある。困窮した事業者への支援も継続したい。

 複雑な行政機構を動かし、迅速に政策課題を解決するには、首相の強い指導力が不可欠である。

 官邸主導の体制を維持しながら、「独断」との批判を招かぬよう、政策決定過程を透明化すべきだ。新首相は、風通しの良い組織を作らなければならない。

 公文書改ざん問題について、菅氏が再発防止策を講じる考えを示したのは当然だが、公文書管理の適切なあり方を踏み込んで論じずに理解が得られるだろうか。

 消費増税について、菅氏は、今後10年間は必要ないとする安倍首相と「全く同じ意見だ」と強調した。増税に触れたテレビ番組での発言に関しては、「将来のことまで否定すべきではない」という趣旨だったと説明した。

 感染症危機の中での増税は現実的ではないが、将来の議論を封じるべきではあるまい。負担増を語ることも、政治の役割である。

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1473889 0 社説 2020/09/13 05:00:00 2020/09/13 05:00:00

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