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公取委新体制 データ寡占の監視を続けよ

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 デジタル化で社会の変革が進む中、国民の利益を守るために、公正取引委員会の役割が一段と重要性を増している。

 公取委の新しい委員長に、財務省出身の古谷一之前内閣官房副長官補が就いた。

 7年半務めた前任の杉本和行氏は、巨大IT企業への規制策などで公取委の存在感を高めた。

 古谷氏は記者会見で、「巨大IT企業の反競争的な行為には厳正に対処する」と表明した。杉本氏の路線を継承しつつ、課題の解決に手腕を発揮してもらいたい。

 公取委は、談合やカルテルなどを摘発するほか、企業合併が寡占を招いて消費者に不利益を与えないよう、審査している。

 かつてのモノ中心の経済では、商品のシェア(市場占有率)を見ればよかったが、米グーグルやアマゾンなど「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業の登場で市場構造は変わっている。

 インターネット通販や検索サイトを運営する巨大IT企業には、膨大なデータが集まる。それによってサービスの質が高まり、顧客が増える結果、市場独占の加速につながっている。

 公取委は、寡占企業による取引先への一方的な条件の押しつけや、同意のない個人情報の利用などを防ぎ、消費者や取引企業を保護しなければならない。

 デジタル広告取引では、巨大IT企業が圧倒的な支配力を持っているため、実態が不透明なままになっている。そこに切り込むことが不可欠である。

 人口減少に苦しむ地方経済の再生にも、従来の尺度にとらわれない競争政策が必要となる。

 公取委は2016年、傘下に長崎県の銀行を持つふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)と十八銀行(長崎市)の経営統合に待ったをかけ、審査が長引いた。

 地方にとっては、地域独占を心配するより、統合による銀行の基盤強化が大切な場合があろう。

 11月には、地方銀行の再編を促す独占禁止法の特例法が施行される。菅首相は地銀再編の必要性を唱えており、公取委には地方に配慮した柔軟な対応を求めたい。

 感染症による景気の悪化で、大企業から中小企業への負担のしわ寄せが起きやすくなっている。

 古谷氏は、大企業による「下請けいじめ」の抑止に重点的に取り組むという。働き方が多様化する中、立場の弱いフリーランスを守る環境整備もテーマに挙げた。

 弱者に目を配った施策に最善を尽くしてもらいたい。

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1490113 0 社説 2020/09/20 05:00:00 2020/09/20 05:00:00

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