インフルの季節 コロナとの同時流行に備えよ

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 冬にかけて新型コロナウイルスの再流行が懸念される。加えてインフルエンザの患者が増える季節でもある。同時流行を防ぎ、医療現場の混乱を避けねばならない。

 コロナの感染が確認された人は全国で10万人に満たないのに対し、インフルの患者は例年1000万人規模になる。症状だけではコロナかインフルかを見分けにくいため、熱がある人はコロナ感染を疑わざるを得ないという。

 従来通りの診療体制では対応に限界があり、振り分けを担う保健所の負担も増す。多くの医療機関が幅広く患者を診られるようにすることが大切である。

 政府は、コロナ感染が疑われる患者が、かかりつけ医など身近な医療機関でも受診できる体制に切り替える方針だ。これまでは保健所に設置された相談センターが窓口だった。発熱患者の増加を見据え、現実的な対応と言えよう。

 ただ、地域の医療機関は、設備や人員が整った大病院と違い、コロナ感染者と一般の患者を分離するための十分なスペースがない場合も多い。診察時間を分けたり、敷地内の仮設テント内で診察したりする工夫が必要だろう。

 診察の際、インフルとコロナ両方の検査を行うことができれば効率的だが、インフルの検査キットは広く使われているのに比べ、コロナの検査体制は不十分だ。

 PCRより簡便な抗原検査などの普及が急務となる。鼻の粘液や唾液から、一度に両方の検査ができる方法の確立も待たれる。

 医療の逼迫ひっぱくを避けるには、インフルの患者を減らすことが不可欠だ。高齢者の場合、どちらに感染しても重症化の恐れがある。あらかじめインフルの予防接種を受けておくことが望ましい。

 政府は、昨年より多い6300万人分のインフルエンザワクチンを用意する。高齢者のほか、持病のある人、医療従事者など、優先度の高い人から順に行き渡るようにしてほしい。接種にかかる費用の助成も検討に値しよう。

 今後はコロナの法令上の扱いを見直し、軽症者や無症状者は、ホテルや自宅での療養を原則とするという。インフルの流行に備え、医療機関が重症者の治療に集中できる環境を整えねばならない。

 インフルとコロナは、飛沫ひまつや接触を通じて感染が広がる点も共通している。密集を避け、手洗いを励行するなどのコロナ対策は、インフルの流行を抑えるのにも役立つ。日常の努力を継続して冬の流行期を乗り切りたい。

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1493408 0 社説 2020/09/22 05:00:00 2020/09/22 05:00:00

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