ジャパンライフ 悪質商法の被害を食い止めよ

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 高齢者らを言葉巧みに勧誘し、巨額の資金を集めていた商法に、捜査のメスが入った。被害が繰り返されないよう、規制の強化を急ぐべきだ。

 多額の負債を抱えて倒産した磁気治療器販売会社「ジャパンライフ」(東京)が、顧客にウソの説明をして現金をだまし取ったとして、元会長らが詐欺容疑で警視庁などに逮捕された。

 顧客に商品を購入させ、それを預かって別の客に貸すというレンタルオーナー制度で、1万人から2100億円を集めたとされる。債務超過に陥った後も、「元本保証、年利6%の配当」などと顧客を勧誘したとみられている。

 元会長は、安倍前首相が主催した「桜を見る会」に招待されたと宣伝するなど、政治家や著名人との関係を誇示していた。社会的信用を強調することで、顧客の安心を得ようとしたのだろう。

 被害者は高齢者が多く、老後の蓄えを失った人も少なくない。営業担当者に健康相談に乗ってもらったり、旅行やコンサートの招待を受けたりして、高額な出資をさせられた人もいたという。

 警察当局は捜査を尽くし、被害実態やだましの手口など、事件の全容を解明してもらいたい。

 全国の消費生活センターには、以前から「解約しても返金されない」などの相談が相次ぎ、消費者庁は2016年以降、業務停止命令を4回も出していた。

 現行法での対応に限界があったとしても、なぜもっと早く被害を食い止められなかったか。

 問題のオーナー制度は、一般に「販売預託商法」と呼ばれる。商品や事業に実態がない悪質なケースもあるが、顧客は配当が続いている限り、だまされていることに気付きにくいため、過去にも大規模な消費者被害が出ている。

 1980年代の豊田商事事件を機に特定商品預託法が制定されたが、対象商品は限定され、新たな手口での被害が後を絶たない。被害総額は1兆円を超えている。

 消費者庁の有識者検討会は、販売預託商法を原則禁止にすべきだとする報告書をまとめた。消費者に深刻な被害を及ぼす恐れが高いとして、「反社会性のある行為」と断じたのは当然である。

 消費者庁は、来年の通常国会への預託法改正案提出を目指している。抜け道を許さず、違反した場合は重い罰則を科すなど、実効性のある規制を検討してほしい。

 被害を拡大させないため、悪質業者を早期に把握し、消費者に周知する取り組みも強化したい。

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1497219 0 社説 2020/09/24 05:00:00 2020/09/24 05:00:00

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