防衛費概算要求 新たな領域の能力向上を図れ

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 安全保障環境の変化や軍事技術の進歩を見据えて、着実に防衛力を整備することが大切だ。

 防衛省の2021年度予算の概算要求は、過去最大の5兆4898億円となった。防衛費の増額が認められれば、9年連続となる。宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域への対処に重点を置いた。

 中国や北朝鮮は新領域での能力を高めている。日本の衛星や防衛システムが攻撃されれば、イージス艦や戦闘機は無力化されよう。サイバー防衛や宇宙監視の体制を強化することは理にかなう。

 宇宙関連では、724億円を計上した。宇宙ごみや他国の衛星の監視を目的とした人工衛星の設計費を盛り込んだ。

 多数の衛星を打ち上げ、ミサイル防衛に役立てる「衛星コンステレーション(群)」の研究費も要求した。中露が開発し、迎撃が困難とされる極超音速滑空兵器を探知・追尾する狙いがある。

 宇宙空間に防衛網を構築する構想は、米国が提唱している。政府は日米の共同運用を視野に入れている。実現可能性や費用対効果を見極めねばならない。

 サイバー対応では、既存の組織を改編し、陸・海・空3自衛隊による共同部隊を創設する方針だ。専門人材の育成は急務である。

 一方、従来の領域では、最新鋭戦闘機の購入費として666億円を要求した。戦闘機の運用を想定した護衛艦「いずも」の改修費なども盛り込んだ。

 日本周辺の安全保障環境は厳しさを増している。だが、財政事情が悪化する中、高額な装備を際限なくそろえるのは無理だ。政府は優先順位を定め、計画的に導入を進める必要がある。装備を見直し、効率化を図ることが不可欠だ。

 地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の代替策は、年末に決めることにした。レーダーなどを設置する候補として、護衛艦や商船のほか、石油採掘装置のような施設が挙がっている。

 護衛艦を新規に配備すれば、人手が不足している海自の負担は増そう。民間の商船などでは、安全面で不安が残る。多角的に検討してもらいたい。

 米国は、日本など同盟国に国防費を国内総生産(GDP)比で2%とするよう求めている。19年度の日本の防衛費は0・9%だ。

 日本が基地を提供することで、米国はアジア太平洋地域で優位な立場を保ち、米国の国益にもつながっている。政府はこうした事実を粘り強く説明すべきだ。

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1520317 0 社説 2020/10/04 05:00:00 2020/10/04 05:00:00

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