トランプ氏感染 米政権の危機管理が甘すぎる

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 トランプ米大統領が新型コロナウイルスに感染した。体調不良が続き、政権運営に支障が生じれば、国内外に与える影響は計り知れない。一日も早い回復が望まれる。

 新型ウイルスには、誰もがかかりうる。感染したこと自体は、非難されるべきではない。だが、トランプ氏を始めとする政権中枢の認識の甘さと危機管理のまずさは指摘せざるを得ない。

 トランプ氏は国民に模範を示す立場にありながら、マスクを軽視する発言を繰り返していた。ホワイトハウスでは5月以降、職員らの感染が続いたにもかかわらず、社会的距離の確保やマスク着用などの規範が徹底されなかった。

 先月26日にホワイトハウスで行われた式典では、参加者の多くがマスクなしで密集している光景が見られた。感染対策のずさんさの象徴と言える。トランプ氏ら陽性確認者が相次ぎ、クラスター(感染集団)化が指摘されている。

 政権高官や上院議員、11月の大統領選を指揮するトランプ陣営の幹部ら各層に感染が広がっているのは、極めて深刻な状況だ。

 米国は感染者、死者共に世界最多を記録している。トランプ氏はウイルスが最初に蔓延まんえんした中国の責任を強調してきた。一方で、根拠なしに「米国での流行は終息する」とも述べていた。対中批判の説得力は弱まるのではないか。

 政権が優先すべきは、中枢での感染拡大の経緯を精査し、再発防止策を徹底することである。科学的根拠と専門家の助言に基づき、体制を立て直さねばならない。

 トランプ氏の病状が悪化し、大統領の職務を遂行できなくなった場合は、ペンス副大統領が代行を務めることになる。トランプ氏の容体について、医師団と政権幹部の説明が食い違い、情報が錯綜さくそうしているのは気がかりだ。

 政権は、トランプ氏が治療に専念する環境を整え、病状に関する説明を丁寧かつ迅速に行う必要がある。ペンス氏に権限を委譲する場合は、内政や外交に混乱が生じないよう、万全を期すべきだ。

 今回の事態は、大統領選の行方を左右しかねない。

 大規模集会で熱狂的な支持を誇示するトランプ氏の手法は、見直しを迫られる。民主党候補のバイデン前副大統領は、感染症対策を最大の争点に位置付け、政権の責任追及に一段と力を入れよう。

 トランプ支持者と反対派の感情的対立の激化が懸念される。平静さを保ち、選挙を円滑に実施することが何よりも大切である。

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1524749 0 社説 2020/10/06 05:00:00 2020/10/06 01:42:17

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