日銀短観改善 政策支援で着実な回復軌道に

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 企業の景況感の悪化にひとまず歯止めがかかった。景気を着実な回復に導くには、国による支援の継続が不可欠だ。

 日本銀行の9月の企業短期経済観測調査(短観)で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が上向きとなった。大企業では、製造業がマイナス27と前回から7ポイント上昇し、非製造業もマイナス12と5ポイント上がった。

 ただ、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で、リーマン・ショック後以来の水準に急落した前回からの上げ幅は小さい。力強い回復には、ほど遠い。

 業種別では、改善度合いに大きなばらつきがある。製造業の「自動車」は、輸出や国内販売の回復で、11ポイント上昇のマイナス61だった。3か月後の先行きを示す指数は、マイナス28まで戻っている。

 産業の裾野が広い自動車の持ち直しは好材料だ。部品や素材を供給する「電気機械」も、9月は13ポイント改善のマイナス15だった。

 とはいえ、欧州や新興国などでは感染が拡大している。今後の輸出は、なお楽観できない。

 内需中心の非製造業では、食品や家電などの「巣ごもり需要」が増加したことで、「小売り」が16ポイント上がってプラス18となった。

 一方、「宿泊・飲食サービス」はマイナス87、遊園地や劇場などの「対個人サービス」もマイナス65と低い水準が続き、改善は小幅にとどまった。

 これらの業種では、非正規雇用の割合が高い。雇い止めなどによる失業者が相次ぐ恐れがある。懸念されている雇用の悪化に拍車をかけかねない。

 政府・日銀は業種ごとの動向を丁寧に分析し、効果的な施策を切れ目なく講じることが重要だ。

 政府の観光支援策「Go To トラベル」が7月に始まり、10月からは東京都発着の旅行が対象となった。飲食店の利用を促す「Go To イート」も加わった。感染対策を徹底し、官民で消費の喚起に注力したい。

 倒産の増加を防ぐため、資金繰りの手助けが必要である。政府・日銀は実質無利子・無担保融資の円滑な活用を促してほしい。

 内需のもう一つの柱である企業の設備投資の陰りが気がかりだ。全規模・全産業の今年度の計画は前年度比2・7%減となり、例年は上積みされる9月調査で10年ぶりのマイナスとなった。本格回復への確信が持てないのだろう。

 政府は、税制による優遇策の拡充など企業の投資を後押しする追加策を検討するべきだ。

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1527379 0 社説 2020/10/07 05:00:00 2020/10/07 05:00:00

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