人事院勧告 働き方改革で行政の質高めよ

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 デジタル化や感染症対策など、行政課題は複雑かつ専門化している。各府省は、優秀な人材が能力を発揮できる環境を整えねばならない。

 人事院が、今年度の国家公務員の期末・勤勉手当(ボーナス)を0・05か月分引き下げ、年4・45か月分とするよう勧告した。

 引き下げはリーマン・ショック後の2010年以来だ。新型コロナウイルスの影響で民間企業のボーナス支給が減っており、官民の均衡を図るのは妥当だろう。

 今回の勧告は例年より2か月遅れで、給与に関しては改めて行う運びだ。変則的な措置だが、柔軟に対処してほしい。

 人事院は人事管理報告で、「有為の人材を確保することが非常に重要な課題だ」と指摘し、学生の公務員離れに危機感を示した。今年度の総合職試験の申込者は前年度比3・3%減の1万6730人で、4年連続の減少だった。

 各府省は重要政策を立案し、法律に基づいて適切に執行する役割を担っている。優秀な人材の就職先が民間に偏り、公務員が敬遠されているのであれば心配だ。政府は減少の要因を分析し、対策を講じるべきである。

 霞が関の働き方改革を進めることが大切だ。内閣人事局のアンケートでは、30歳未満の男性職員の7人に1人が「3年以内に辞めたい」と回答した。理由として、仕事の魅力の低さや長時間労働への不満を挙げる人が多かった。

 若手が離職を考えるような状況では、専門的な知識を深め、効果的に政策に反映させることは望めまい。職員が意欲を持って職務にあたれるよう、組織のあり方を見直す必要があるのではないか。

 政府が昨年から民間の働き方改革を進めたのに伴い、国家公務員にも残業上限を原則年360時間などとする規則が設けられた。官僚を疲弊させている長時間労働の実情を正確に把握し、改善に努めることが急務である。

 長時間労働の原因の一つは、国会対応だ。国会議員が質問内容を事前に通告する時間が遅く、官僚が答弁資料を作成する作業が深夜に及んでいる。議員への説明に忙殺され、「政策を研究する余裕がない」と語る官僚もいる。

 政府と与野党が協力し、質問通告の時間厳守やオンライン会議の活用などを進めてはどうか。

 元検事長の賭けマージャン問題や不適切な公文書管理など、幹部らの不祥事が国民の不信を招き、組織の士気を低下させた。法令順守を肝に銘じてもらいたい。

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1532353 0 社説 2020/10/09 05:00:00 2020/10/09 05:00:00

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