地銀再編 前向きに検討すべき選択肢だ

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 人口減少などによる地域経済の低迷で、地方銀行の経営は厳しい。資金を円滑に供給し、地元経済を活性化する本来の責務を果たすためには、再編が有力な選択肢となろう。

 菅首相は、金融を担当する麻生財務相に、地銀の再編に向けた環境の整備を指示した。首相は就任前から、「将来的には数が多すぎるのではないか」と述べ、再編の必要性を唱えていた。

 金融庁によると、超低金利による利ざやの縮小などで、企業向け融資や住宅ローンなどの「顧客向けサービス」の収支は昨年度、約100行ある地銀のうち46行が赤字だった。うち39行は、2年以上赤字が続いているという。

 人口減が深刻な地方は多く、今のままでは地銀の経営は持続可能ではないとの見方が出ている。首相の問題意識は妥当である。

 新型コロナウイルスの流行で、地方を支える観光業や飲食業などが大打撃を受けている。地銀はできる限り、こうした事業者の資金繰りを助け、地域経済の安定化に努めなければならない。

 そのためには、地銀自身の経営基盤の強化が不可欠となる。

 合併すれば、システムの統合や店舗の統廃合で抜本的な経営効率化が可能だ。規模拡大により、金融とITを融合するフィンテックにも取り組みやすくなる。

 大手銀行が3メガバンクなどに集約される中、地銀は先月までの過去10年で4行減っただけだ。

 特に地域の中核的な銀行である第一地銀の再編が遅れていたが、今月、長崎県の十八銀行と親和銀行が合併して十八親和銀行となった。地方経済の再生につながる先例となるよう期待したい。

 11月には、銀行を対象に、同一県内でシェア(市場占有率)が高まっても合併などを容認する独占禁止法の特例法が施行される。

 各地銀は、地域の実情に応じ、合併や統合の可能性を探ってほしい。政府も後押しする施策にさらに知恵を絞ってもらいたい。再編後は、融資先に不当に高い金利を求めるなどの悪影響が出ないか、当局の事後点検が必要になる。

 コスト削減に向けて地銀の支店の統廃合が進めば、地域住民に不便が生じかねない。それを防ぐには、全国に2万4000局の郵便局を抱える日本郵便や、ゆうちょ銀行との連携強化が有効だ。

 店舗運営やシステム開発での協力、現金自動預け払い機(ATM)の相互利用を広げることなどが考えられる。共同での新ビジネス開拓も検討に値しよう。

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1532354 0 社説 2020/10/09 05:00:00 2020/10/09 05:00:00

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