コロナと雇用 人手不足産業への転職円滑に

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 新型コロナウイルス感染拡大により、雇用環境は厳しさを増している。政府は、人手不足の産業への転職や再就職を支援しなければならない。

 厚生労働省によると、コロナの影響で解雇や雇い止めにあった労働者は、見込みを含めて6万3000人に上っている。8月の失業率は3・0%となり、2か月連続で悪化した。雇用情勢の先行きを注視していく必要がある。

 休業手当の一部を助成する雇用調整助成金を手厚くする特例措置は、非正規労働者も対象で、失業の増加に歯止めをかけている。

 政府は年明け以降、段階的に特例措置を縮小する方向だが、雇用情勢によっては、延長を検討すべきではないか。

 コロナ禍の収束は見通せず、企業の業績低迷が長引くことが懸念されている。雇用の維持が困難となる恐れもあろう。今後は、仮に失業したとしても、新たな仕事を見つけやすくするための施策に力を入れることが大切である。

 厚労省は、来年度予算の概算要求に、人手の足りない業種や成長産業への労働移動を促進するための対策を盛り込んだ。

 代表的な人手不足の産業は、介護分野である。厚労省は、公共職業訓練を受けて介護の仕事に就く場合、1人上限20万円を貸し付ける制度を設ける方針だ。一定期間働けば返済を免除するという。

 介護分野に人材を集めるには、一時的な支援だけでなく、介護職員の処遇全般を改善することがカギを握ろう。IT化や多様な人材の活用で負担を軽減し、ケアに専念できる体制を整えたい。

 労働者にとっては、職を失うことなく、できるだけ円滑に新しい仕事に移るのが望ましい。

 厚労省は、「失業なき労働移動」を支援する産業雇用安定センターの体制を拡充する考えだ。各都道府県にある事務所の相談員を増やし、雇用が過剰の企業と、人材不足の企業の橋渡しを無料で行う機能を強化する計画である。

 現在、センターを通じて、年約9000人が転職しているという。アパレル業で営業職だった50代男性が損害保険業界に移るなど、異業種への転身も多い。受け入れ企業の負担を減らすため、出向の形をとる場合もある。

 現状の公共職業訓練が、建設分野の技能育成などに偏っているのは物足りない。様々な業種のIT化やデジタル化に対応した講座を増やし、企業や求職者のニーズに応えてもらいたい。産業構造の転換を進めることにもなろう。

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1536249 0 社説 2020/10/10 05:00:00 2020/10/10 05:00:00

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