行政改革 非効率な業務を見直したい

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 社会の変化や技術革新によって、必要性が乏しくなった業務や、慣行を改めることが大切だ。

 菅首相が、押印や書面の廃止など行政手続きを抜本的に見直すよう、全府省庁に指示した。政府内のデジタル化を進め、効率的な施策の遂行につなげる狙いは理解できる。

 押印が必要な手続きには、引っ越しの際の転入届や、自動車の登録証明など1万種類以上あるという。河野行政・規制改革相は、利用の多い820件について、9割以上を廃止すると発表した。

 ハンコを使った申請などがなくなれば、利用者はパソコンなどで手続きを行い、インターネットで文書を送信できるようになろう。行政のオンライン化によって利便性を向上させる意義は大きい。

 民間企業では、サインを暗号化して本人確認を行う電子署名が普及している。政府には、押印や書面が廃止できる手続きと、なくせないものを精査してほしい。

 上川法相は、婚姻届と離婚届での押印廃止を表明した。定着している手続きを変更することに、戸惑う人もいるのではないか。

 デジタル化を金科玉条のごとく掲げるのは無理がある。パソコンを十分に使いこなせない高齢者がいることを忘れてはなるまい。弱者を取り残さないための方策を多角的に検討することが重要だ。

 平井デジタル改革相は、小中学校の教科書を原則としてすべてデジタル化すべきだと主張している。今年度末に、小中学生に1人1台のパソコン端末などが行き渡ることが念頭にあるのだろう。

 デジタル端末だけでは、理解度や読解力の低下を招くと指摘する研究者は多い。思考力を育む上で、印刷された活字の文章と向き合う機会は不可欠だ。デジタル教材は、紙の教科書を補完する役割にとどめなければならない。

 政府は、行政・規制改革のアイデアを矢継ぎ早に発表している。パフォーマンスに走らず、目的と効果を見極めながら、着実に成果を上げてもらいたい。

 行政改革のテーマは多岐にわたる。組織や仕組みを改め、経費削減につなげることが肝要だ。

 前政権では、財政投融資を活用した官民ファンドの深刻な経営悪化が問題となった。だが、その改革はいまだ途上である。

 民間ではリスクを取るのが難しい分野に投資してきたものの、思うように収益が上がらず、赤字が膨らんだファンドもある。投資実績が振るわない場合、経営の改善や体制の見直しを図るべきだ。

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1538683 0 社説 2020/10/11 05:00:00 2020/10/11 05:00:00

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