「北」の兵器誇示 苦境打開には核放棄が本筋だ

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 国際的な孤立と経済の不振が続く中、最新兵器を誇示することで、国威発揚を狙ったのだろう。北朝鮮は、核開発の継続で自ら苦境を招いている現状を認識すべきだ。

 朝鮮労働党の創建75年を記念する大規模な軍事パレードが、北朝鮮の平壌で行われた。未明の開催という異例の形式からは、電飾や花火で華やかさを演出し、士気を高める意図がうかがえる。

 目を引いたのは、米国を射程に収めるとみられる新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)だ。2018年に公開されたICBMよりも、胴体部分が長く、直径が太かった。弾頭部も大きくなった。

 射程が伸び、複数の弾頭を搭載できるようになった可能性がある。発射実験は行われておらず、性能を見極めるのは難しいが、脅威の増大に注意が必要だ。

 金正恩党委員長は演説で、米国を念頭に「戦争抑止力を引き続き強化する」と述べ、核・ミサイル開発を続行する姿勢を示した。

 国連安全保障理事会の制裁決議で、北朝鮮は核・弾道ミサイルの開発を禁止されている。ICBMを保持し、増強することは、安保理決議への明白な違反である。到底容認できない。

 金委員長は、「過酷で長期的な制裁」により、物資が不足している状況を嘆いた。だが、そもそも各国が制裁を段階的に強化してきたのは、北朝鮮が核実験を何度も強行したからだ。

 制裁解除への唯一の道は、核兵器と関連物質・施設を検証可能な形で廃棄し、弾道ミサイルの脅威を除去することである。

 新型コロナウイルス対策や台風などの災害が、北朝鮮の経済悪化に追い打ちをかけた。感染症の流行を防ぐため、中国との国境管理を厳格化したことで、物資調達が困難になったのは間違いない。

 金委員長は、防疫や災害復旧への国民の協力に感謝を示し、生活難が続いているとして陳謝した。核への固執が経済にしわ寄せを招いているという肝心な点を語っていないのではないか。

 北朝鮮は、16年の党大会で打ち出した経済成長の目標を達成できず、来年1月の党大会で新たに5か年計画を策定するという。経済再建を目指すのなら、軍事に偏った路線を見直さねばなるまい。

 米政府高官は、軍事パレードに「失望」を表明し、北朝鮮に非核化交渉に応じるよう促した。中国をはじめ関係国は、制裁を厳格に履行し、北朝鮮に核放棄を粘り強く働きかけねばならない。

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1542477 0 社説 2020/10/13 05:00:00 2020/10/13 05:00:00

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