中小企業支援 デジタル化で経営の足腰強く

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 新型コロナウイルスの流行で、社会のデジタル化への機運が高まる中、対応の遅れが目立つのが中小企業だ。政府は、中小の取り組みを強く後押しする必要がある。

 菅首相は就任直後、梶山経済産業相に、中小企業の生産性を向上させ、足腰を強くする仕組みを検討するよう指示した。デジタル化の流れを中小に広げ、経済の活性化につなげねばならない。

 コロナ禍の経営への影響は、大企業より中小企業の方が大きい。日本銀行の9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、今年度の経常利益の見込みは、大企業が前年度比約21%減なのに対し、中小は約46%減となっている。

 宿泊、飲食などのサービス業の比率が高いほか、大企業のコスト削減のしわ寄せを受けることが多いためとみられる。

 当面、政府系や民間の金融機関による実質無利子・無担保融資などの資金繰り対策が重要だが、感染防止策を講じて事業を継続する取り組みへの支援も不可欠だ。

 それには、ITの活用促進が有力な選択肢となろう。

 インターネットを活用し、遠隔で指導が受けられる体操教室やヨガ教室などが活況だという。

 客がスマホでオーダーし、キャッシュレス決済ができる小規模飲食店向けのサービスを創設し、活用している地域がある。

 商工会議所が、食品の在庫を抱えた企業の商品を紹介するホームページを開設すると、引き合いが殺到した事例がある。製造業でも、オンラインでの商品受注や商談会が広がっている。

 コロナ禍の中で、投資の余力が乏しい中小企業は多い。政府は、IT化のための補助金の拡充などで手助けするべきだ。

 デジタル化が遅れている要因としては、人材不足もある。

 政府は9月、ITに精通した民間の専門家が、対処に悩む中小企業に助言する「デジタル化応援隊」の事業を始めた。各企業の課題を掘り起こし、実情に応じた施策をきめ細かく講じてもらいたい。

 かつて倒産寸前だった神奈川県の老舗旅館は、予約管理や給与支払いなどのシステムを自社開発した。従業員の事務負担を減らすとともに、ITを接客係同士の情報共有に使ってサービスの質向上につなげ、業績を急回復させた。

 現在は、システムを外販しているという。こうした成功事例を共有しつつ、中小企業自身が、効率化に向けた業務の見直しに踏み切ることも大切だ。

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1545889 0 社説 2020/10/14 05:00:00 2020/10/14 05:00:00

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