憲法改正 党派を超えて精力的に論じよ

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 与野党の新体制発足を機に、国会での憲法論議を活性化させることが大切だ。各党はそれぞれの見解を示し、積極的に取り組んでほしい。

 自民党が憲法改正推進本部を始動させた。衛藤征士郎元衆院副議長が本部長に就き、党三役や派閥領袖りょうしゅうらが顧問に名を連ねた。

 党是である憲法改正に、党を挙げて臨む姿勢を示したのだろう。顔ぶれにふさわしい骨太な議論を進めてもらいたい。

 推進本部は、自衛隊の根拠規定の追加など4項目について、正式な条文案を年末までに策定する方針だ。2018年にまとめた条文案は、議論のための「たたき台素案」という位置づけで、総務会の了承手続きを経ていなかった。

 正式な案として国会に提示することができれば、憲法審査会での議論に弾みがつこう。他党と協議する余地を残しつつ、手続きを前進させるのは妥当な判断だ。

 衛藤氏は起草委員会の初会合で、精力的に議論を進める考えを示した。国会での審査に向けて、条文の解釈なども含め、精緻せいちな検討を積み重ねる必要がある。

 焦点は、憲法9条への自衛隊の明記だ。18年のたたき台素案は、現行の9条1項、2項を維持したうえで9条の2を新設し、「自衛隊を保持する」と規定した。

 日本の安全保障を担う自衛隊の存在を、憲法に明確に位置づける意義は大きい。一部に残る自衛隊違憲論の払拭ふっしょくにつながろう。

 一方、戦力不保持を定める2項を残すことで、自衛隊が「戦力」に当たるのかという不毛な議論は続きかねない。起草委員会はこうした課題も改めて整理し、丁寧に条文化を進めるべきである。

 自民党が新設を提案している緊急事態条項は、大地震など大規模災害を想定したものだ。

 災害だけでなく、テロや武力攻撃、新感染症の流行など、想定外の危機に対処するために、憲法や法律にどのような規定を設けるべきか、欧米諸国などの事例も参考に吟味してはどうか。

 再編された国民民主党も、憲法改正草案を年内にまとめるという。玉木代表は、審査会の開催を拒まないと明言した。憲法論議に慎重な立憲民主党との差別化を図る狙いがあるのだろう。多角的な観点からの提案を期待したい。

 近年、情報技術の発展に伴い、個人情報の活用とプライバシー保護の両立の必要性など、新たな課題も浮上している。時代の変化に即した憲法のあり方について、幅広く議論することが重要だ。

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1545890 0 社説 2020/10/14 05:00:00 2020/10/14 05:00:00

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