新聞週間 コロナ禍で増す使命の重み

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 入念な取材に裏打ちされた正確な情報を、迅速に伝える。社会が苦難に直面している今、新聞に課せられた使命の重さを改めて胸に刻みたい。

 新聞週間が始まった。今年は新型コロナウイルスの流行という未曽有の事態に見舞われた。感染者は9万人、死者は1600人を超え、なお収束は見通せない。

 感染が拡大した今春、医療現場は病床不足から崩壊寸前だった。小中高校は一斉休校となり、飲食店などは営業自粛を迫られた。

 読売新聞は、当事者の声を拾い、現場の実態を報じてきた。浮かび上がってきたのは、政府と自治体間の連携不足だ。それが休業要請や病床確保を巡る混乱を招いたほか、給付金の支給遅れなどにもつながったことは間違いない。

 こうした取材結果を踏まえ、読売新聞は6月、「感染症に強い社会築け」と題する緊急提言を紙面で発表した。先の見えにくい状況だからこそ、問題の所在を探り、解決策を示すことが、新聞の役割だと考えたからだ。

 提言では、PCR検査の拡充や行政サービスのデジタル化推進などを求めた。その多くが、実際の政策に反映された。

 未知のウイルスとの闘いを歴史に刻み、次代に教訓を伝える役割を、今後も果たしていきたい。

 コロナに関する情報発信では、インターネット上で事実とかけはなれたデマが流布された。読売新聞の世論調査では、そうした偽情報を信じたことがある人が23%に上った。特に、若年層で3人に1人と目立っているのは深刻だ。

 感染者や医療従事者に対する誹謗ひぼう中傷も横行した。外出する人や営業を続ける店を非難する人も現れ、「自粛警察」と呼ばれた。

 日本新聞協会と日本民間放送連盟は5月、差別や偏見がなくなるような報道を心がける、とする共同声明を出した。コロナを正しく恐れ、人をいたわる姿勢を社会全体で共有することが大切だ。

 世論調査では、「新聞は信頼できる」と回答した人が76%と、高い水準にある。新聞に対する期待の大きさを感じる。

 デジタル媒体より紙で読んだ方が、内容や筋立てを記憶しやすく、より良く理解できるという海外の調査結果もある。多様な情報に加え、深みのある分析記事を提供することが一層重要になろう。

 今後もインフルエンザとの同時流行など、予断を許さない状況が続く。日々の報道を真摯しんしに検証しながら、読者の「知る権利」に応える努力を重ねていきたい。

無断転載・複製を禁じます
1548784 0 社説 2020/10/15 05:00:00 2020/10/15 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ