基地負担の軽減 国と沖縄県は冷静に対話せよ

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 米軍基地問題を巡り、国と沖縄県の対立は長期化している。対話を重ねて、粘り強く一致点を見いだしてもらいたい。

 河野沖縄相と加藤官房長官が相次いで那覇市を訪問し、玉城デニー知事と会談した。菅首相は、首相官邸で知事と面会した。新内閣の発足を契機に、沖縄と信頼関係を築けないか探っているのだろう。

 沖縄県には、在日米軍施設の7割が集中している。前内閣の下、北部訓練場やキャンプ瑞慶覧の一部などが返還されたが、整理・縮小計画はなお途上にある。

 首相らが、沖縄の負担軽減を進める考えを示したのは当然だ。米軍の訓練地を本土に移転することを含めて、着実に成果を上げていかねばならない。

 普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について、県は反対の姿勢を崩さない。7月には、辺野古にあるサンゴの移植に反対し、またしても国を提訴した。

 市街地に囲まれた普天間の危険性除去は急務である。同時に、普天間の機能を移設し、米軍の抑止力を維持することは不可欠だ。

 単に移設に反対するだけでは、危険性は残ったままになる。玉城氏は基地負担の軽減に向け、国と真摯しんしに協議する必要がある。菅政権も様々な機会をとらえ、事態の打開に努めてほしい。

 浦添市が今夏、米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の代替施設の受け入れを表明し、那覇市中心部にある軍港の返還計画が前進する見通しとなった。軍港の跡地には、国際会議場や商業施設を建設する案が浮上している。

 玉城氏は経済効果を考慮し、代替施設建設に伴う浦添市沖の埋め立てについては容認する構えだ。玉城氏の支持組織には、辺野古沖の埋め立てへの反対と整合性が取れない、と批判があるという。

 県全体の利益を考えるのが、知事の役割だ。辺野古移設への対応を含め、玉城氏には大局的な判断が求められよう。

 政府側との一連の会談で、玉城氏は沖縄振興予算の十分な確保を求めた。前政権は、2021年度まで、年3000億円台の予算を維持すると県に約束している。

 沖縄の1人当たりの県民所得は全国で最下位である。本土との格差を縮小するため、政府が継続的に支援することが大切だ。

 河野氏は、沖縄振興予算に基づく事業を点検し、重点化を図る意向を示している。費用対効果を見極めつつ、県の発展に資する施策を実行すべきだ。

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1548785 0 社説 2020/10/15 05:00:00 2020/10/15 05:00:00

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